人生は旅

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公認会計士試験の現実

私の知人の息子さんは大手監査法人の会計士です。

 

彼が公認会計士の試験を受けた時の興味深い話を書きたいと思います。

 

彼は新卒で大手証券会社に入りましたが、顧客を騙してまで契約を取ることに嫌気がさしたのです。

 

できるだけ早く試験を受けて資格を取って、嫌な仕事を辞めたかったのです。

 

公認会計士試験は一次は短答式で年2回チャンスがありますが、2次は論文式で夏の3日間の1回だけです。

 

だから、たとえ一次が運よく受かったとしても、2次が合格できない人が大勢いるそうです。

 

彼も3回の挑戦で一次にやっと合格することができました。

 

試験を受けた本人しかその大変さはわかりませんが、問題の数が多いし、計算もあるので時間内に解くのが精いっぱいだそうです。

 

試験に合格した時、彼は仙台勤務だったそうで、何の相談もなく突然会社を辞めて実家に帰ってきました。

 

知人はすぐに就職できるものと思いましたが、実はまだ2次試験を受けなければならないのです。

 

息子さんは勉強に集中するために、実家に帰ってきて無職生活が始まりました。

 

朝7時から大手予備校出かけて夜10時ごろしか家に帰ってきません。

 

朝早く行かないと、自習室の席がないらしくてみんな必死だそうです。

 

知人も家族も息子さんをなんとか支えようと、8月までの7か月間協力を惜しみませんでした。

 

知人も朝早く起きて弁当やお茶、コーヒーなどを用意し、定期代や日々の洋服にもお金を出しました。

 

1次を仙台で受けたので、試験当日も彼は仙台で試験を受けました。

 

受験者が少ない仙台市役所3Fの広々とした会議室で、最高の環境でストレスなく実力を発揮することができました。

 

かたや、東京では某有名大学が試験場となっており、論文なのにすし詰め状態で最悪だったそうです。

 

さて、いよいよ明日が合格発表という日に届いたのは、一通のはがきでした。

 

それには、「合格おめでとうございます。合格祝賀会への招待状です。ぜひおいでください」

 

と、はっきりと書かれていました。

 

合格発表前にすでに大手予備校は合格者を把握している、いいえ、大手監査人もそうなのです。

 

翌日の10時の合格発表と同時に、実にタイミングよく大手監査法人の会社案内が届きました。

 

合格者一覧を見てみると、職業で圧倒的に多いのは「無職」で、毎日ひたすら勉強に励みます。

 

さすがに学生で合格者は1~2人で、気持ちに切迫感がないので無理だそうです。

 

合格者のなかにひとりだけ「会社員」という人がいて、彼には想像もつかないらしくて、「本当にすごい人」だと絶賛していたそうです

 

「日々の仕事を続けながら、公認会計士試験の勉強を続けていって、合格してしまう」

そんな奇跡に出会えたことは、人間の能力に限界はないのかもと実感しました。

 

 

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