人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

大人になる意味を考えてみたら

今週のお題「大人になったなと感じるとき」

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早く大人になりたいと思った訳とは

 考えてみると、子供の頃は早く大人になりたいと思ったこともありました。どんな時にそう思ったかと言うと、自分の欲しいものがなかなか手に入らない時です。つまり、親が自分の欲しいものを簡単には買ってくれなかったからです。当たり前のことですが、子供はお金が稼げません。親に頼るしかないのです。だから短絡的にこう思いました、大人になればお金が自由に使えて、好きな物が買えるのだと。だから早く大人になりたいと、あんなに大人になることに憧れたわけです。親を何とか説得して買ってもらおう、などとは露ほどにも思いませんでした。頭のいい子はそんな時は何とか作戦を考えて親と交渉するそうですが、そんなことは大人になってから初めて知りました。今更、もう手遅れです、もう大人になってしまったのですから。

大人になったらお金を自由に使えるのか?

 子供の頃の私は、お金を自由に使えるのが大人なのだと、誤解していたようなのです。「大人はお金を自由に使えて羨ましい限り」だなんて信じて疑わなかったのですから。では、実際に大人になって見たら、どうかと言うと、人はお金をそんなに自由に使えるわけでもないのだと思い知ることになったのです。生きていくのに必要なお金と自由に使えるお金とはまた別のものなのです。それにお金をどうやって稼ぐかが一番の問題です。その不可欠な問題を考えるのを忘れていたのです。そんなことは思いもよらなかったのですからおめでたいのです。子供はなんて不自由なんだろうと思っていた私ですが、大人になっても相変わらず不自由だと感じています。大人には複雑でどうにもならない問題が付いて回るものですからです。でも幸運なことにその不自由さに徐々に慣れてきたのです。その限られた自由の中で精一杯楽しく生きる術がだんだんわかってきました。大人は自分の置かれている場所で、うまく生きられるように自ら変われるのです。そうでもしない限り、鬱になって心を病んでしまいかねないと思うのです。自分を守るために防衛本能が働くからでしょうか。

子供なのに「大人な」覚悟で

 私が感心するのは、吉本隆明さんの娘で作家の吉本ばななさんです。信じられないとことに、すでに小学生の頃から作家になる夢などではなく、悲壮な覚悟を持って創作に打ち込んでいたからです。それはまさに子供なのに、「大人な」覚悟で、切羽詰まっていたそうです。当時不登校だった吉本さんはふと自分の将来を想ったら怖くなりました。このまま時が過ぎて大人になったら、自分はどうやって生きて行けばいいのか。学歴もない自分はどこかの会社で働くこともできないのではないのか。たとえ働けたとしてもこんなに身体が弱い自分で勤まるのだろうか、いや無理かもしれない。そう考えた吉本さんは自分ができることは何かないかと探しました。自分には書くことしかできない、そう思いました。だから作家になるしか生きる道はないと決心したのです。それ以来文章を書くことで生活していこうと、日々書くことに明け暮れました。父親から溢れんばかりの才能を受け継いだであろう人が懸命に努力する、そんな姿が目に浮かんできます。まだ小学生の女の子が「絶対作家で食べていく」と下した決断は、子供であっても、まるで大人と変わらないと感心するしかないのです。

mikonacolon