人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

後期高齢者とフレイル予防

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後期高齢者の扱いに怒り

 先日、後期高齢者の女性の方の新聞への投書で「怒髪天 後期高齢者をなんと心得る」とのタイトルに目を奪われました。いったい何をそんなに怒っておられるのか知りたくて、読んでみると納得がいきました。投資信託を別のものに買い替えたいのに、全く相手にして貰えないとのことです。88歳の女性の方は「後期高齢者は自由に投資をすることも許されないのか」と悔しい思いをしておられるのです。認知症リスクからという理由だけで、まともに一人前の大人として扱ってもらえないようです。確かに80代後半となれば十分可能性がありますが、個人によって心身の状態は十人十色で様々です。年齢で人間を判断されて、幼児並みに扱われるとしたら誰だって苛立つと思うのです。よくお年寄りに名前ではなくて、「おじいちゃん」とか「おばあちゃん」とか呼びかける人がいますよね。あれって人によっては相当屈辱に感じる人もいるのではないのでしょうか。これからは「人生100年時代」なのだそうですから、いい加減にそういう差別的な扱いは控えるべきだと思います。

「おひとりですか?」に怒り

 先の投書の方に共感した女性の方からは、「『おひとりですか?』に怒髪天」とのご意見が届きました。足の手術で入院するため病院に行った際、受付で「おひとりですか」と言われてしまってムカッとしてしまったそうです。世間でいう88歳と言う年齢では考えられないほどにしっかりしている方なのですから当然のことです。たぶん「いい加減にして、ひとりで来て悪いの?」という思いを抱かれたと思うのです。その後足が腫れて救急外来にタクシーで行かれた時も、「お連れの方は?」と受付でまた言われて呆れました。「救急で来たのにわざわざお連れの方を呼びますか」と思うほど頭も体も大丈夫な方です。しかし、今回のことで自分が世間では認知症を心配される年齢になったのだと再認識させられたそうです。

 うちの叔母も82歳で後期高齢者ですが、毎月美容院に行き、髪を黒く染めて髪型を整えています。身だしなみに気を付けていて、歩く時もスタスタ歩くのでそんな年寄りには見えません。年寄り扱いされたくなければ、叔母のように外見から人の目を欺くのも一つの防御策かもしれません。それでも、ツアーで旅行に行くと、添乗員が馬鹿にしたような目で見るのが嫌なのだというのです。言っている意味が分からず、「どういうこと?」と尋ねてみました。添乗員が「あの歳でよく旅行に来るわねえ、本当に」という憐みの目で自分を見ているのが分かるのだと打ち明けます。これって年寄りのひがみ?で片付けられるほど簡単な問題ではないようです。

イキイキ暮らすためにフレイル予防を

 後期高齢者になっても自分らしく暮らすために、今フレイル予防が注目されているそうです。まず、「フレイル」って聞いたことがないのですが、簡単にいうと、介護が必要になる手前の、心身が衰えた状態のことを言うそうです。フレイル度のチェックには10項目あるのですが、その中で実行するのが一番難しいものは次のようなことです。「野菜料理と主菜(肉か魚)を両方とも毎日2回以上は食べる」。人は1日にたんぱく質を体重60キロの人なら60グラム必要なのですが、それは最低限の量です。筋肉が落ちやすい高齢者は、その1.5倍は取らなければならないそうです。「ええ~、待ってください、若い人より多めにたんぱく質を取る必要があるんですか?」完全に目から鱗です、もうそんなに食べなくていいと思っていたので。それと今は糖質フリーが流行っていますが、「肉類に加えてご飯もしっかり食べてカロリーを取らないとフレイルになってしまう」と医師は警鐘を鳴らしています。

 もう一つ大事なのは「1回30分以上の汗をかく運動を週2回以上すること」という項目です。これに関して言うと、「年を取ってもできる汗をかく運動って何だろう」とふと考えてしまいました。ジョギングとかテニスとか、それぐらいしか思い浮かびません。ただ、医師によると、「意識的に運動していなくても、日常的に動いていれば大丈夫」と言うことなので安心しました。

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