人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

一人暮らしの年金生活とは

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妻が一人取り残されると悲惨なことに?

 あれはまだコロナが流行る前、田舎の親戚の女性の家に遊びに行った時のことでした。彼女は2年前に夫を病気で亡くして、今は愛犬と気儘な一人暮らしをしています。私がお茶の準備をしようと台所に行ってみると、流しの脇に夥しい数のマーガリンの空き容器があったので、「これは何?」とびっくり。一瞬、「捨てなきゃ」と思ったのですが、綺麗に洗って重ねてあるので、これを何かに使おうとしているのだと気付きました。お互い何でも言える仲なので、「あれは何なの?」と聞いてみました。すると、あれくらいの大きさの容器がちょうどいい、つまりご近所におかずをお裾分けするのに便利だと言うわけです。あの容器なら、返してもらう必要もないので、相手に気を遣わせることもないとのこと。すでに絶滅したと思っていた「お裾分け」という言葉を久々に聞いて新鮮でした。

 ちょうど、テレビの報道番組で、年金生活では夫に先立たれた妻は悲惨な末路をたどる場合が多いと指摘していたので心配でした。夫の死後年金は3分の2程度に減らされるので生活に困窮する、だから若い時から備えるようにとの警告だと受け取りました。また老後には2千万円必要との政府の試算にも、もうわかりきっていたことですが、はっきりと現実を突き付けられました。遠い未来のことだと知らないふりをしていたのに、不都合な真実と向き合わなければならなくなりました。

病気になったらどうするの?

 幸い、彼女は夫が残してくれた預貯金もあり、年金も16万円ほど貰えているので、今のところ何の心配もないのだと知って安心しました。「ねえ、2千万円あるの?」とストレートな質問をぶつけると、「うん、2千万はあるよ」と頷いていた。「でも、病気になったらどうするの?」とタラレバのおせっかいなことを聞いてみた。あまりにも能天気な性格なので心配事を忘れているのではと思ったからだった。

 すると、夫が肺がんで亡くなった経験から、医療費がどれくらいかかるのかよくわかっていて、そんなに気にすることはないと言う。確かに病院の請求書には高額の数字が並ぶのだが、実際に支払うのはわずかなので年金でなんとかなってしまうのだ。役所のサービスをとことん使い倒せばいいだけのことらしい。経験した人の言葉は信じられるし、心強い。今起こってもいないことを心配してどうするの、そういう意味だと私自身は受け止めた。

友人との集いが家計を圧迫?

 そんな折、新聞の悩み相談で年金生活者の方が美輪明宏さんに悩みを打ち明けていました。70代でひとり暮らしの女性の悩みは、最近友人たちと付き合うのが辛くなってきたということです。仕事を辞めたこともあり、一日千円程度で暮らさなければならなくなったなのに、彼らは以前と変わりなく家にやってきてほぼ一日?を過ごして帰って行く。顔は笑ってはいるが、内心はオロオロして辛いのだった。これからも友人たちと付き合いたいが、お金が続かず、このままだと破産するのは間違いない。だから何か良い方法がないかと困り果てているのだった。

 三輪さんは友人に打ち明けて会費制にして貰うとかして、自分ひとりで悩まないようにとアドバイスしていました。70代になっても仲良しの友人たちが身近にいると言うのは大変幸せなことだと思います。二人のお子さんを立派に育て上げ、巣立った後は、普通はたいてい孤独感に襲われるのですが、友人がいてくれたのですね。「高齢者にとって、友人と話す時間は至福です」ということなので、お金のかからない付き合い方を工夫して楽しんで欲しいです。

mikonacolon