人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

絵本「アームストロング」と小ネズミ

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アームストロングって宇宙飛行士?

 昨日ラジオの語学講座のテキストを買いに書店に行きました。NHKのテキストのコーナーで欲しいテキストを選び、レジにならんで会計の順番を待っていました。私のすぐ前の人は頼んであった本を取りに来た初老の女性でした。「孫の誕生日プレゼントなんだけど、何が欲しいか聞いたらその本がいいって言われたの」と店員に話しかけていました。本を見せられて「こちらですよ、お会計は2750円になります」と言われると、「けっこう高いのねえ、何の絵本か知らないけど」と驚いていました。店員もわからないしく、「さあ、何の本でしょうねえ」とほほ笑んでいました。

 それで、私も気になって、「そんな高い本って何の本だろう」と興味が湧いてきたので、チラッと題名を見てみました。『アームストロング』、それが絵本の題名でした。アームストロングと言えば、すぐに思い浮かぶのは「宇宙飛行士」です。でもそういう話で子供が果たして喜ぶのか疑問です。頭が堅くて想像力が全くない私は、そこでもう思考停止状態でした。

小さなネズミが宇宙へ

 その時、レジに立ち寄った店員さんのひとりが「ネズミが宇宙に行く話ですよ、子供に人気のある絵本です」と助け船を出しました。小さなネズミは毎晩望遠鏡をのぞくほど宇宙への憧れが強いのです。そして、ついに宇宙船に乗る日がやってきて夢が実現するわけです。そう言えば、以前新聞の絵本の広告で「ネズミが宇宙へ行く」というフレーズを見たことがあるような気がします。でも、悲しいことに夢を見れなくなっている私には「面白そう」などとは思えなかったのです。正直言って私にとってネズミはあまり好ましい動物には思えないのです。

 でも、ネズミをハムスターに置き換えて考えてみたらどうでしょうか。そうすると、不思議なことに可愛らしい生き物に思えてきます。きっと主人公の小さなネズミは子供にとって身近に感じられる存在なのでしょう。自分の分身でもあるネズミが宇宙飛行士となって大活躍するとなれば面白いに違いありません。何よりも絵本だから、文字だけよりも圧倒的にリアルで楽しめるのです。小さな動物と広大な宇宙、大人には想像もつかないような組み合わせだからこそ面白いのです。

 そう考えると、大人が読んでも見ても楽しめるのではと思ったのですが、立ちはだかる壁があります、それは2750円というお高い値段です。立ち読み、ならぬ座り読みでもして読むしかありません。でも最近はビニールが掛かっている本が多いので運が良ければ読めるのですが、それがダメなら図書館に行けばいいのです。

絵本の効用は癒されること

 普通の本に比べて確かに絵本の値段は高いです。でも絵本は子供だけのものではないと思うのです。色のない本に慣れてしまうと、たまに読む絵本が色彩の鮮やかさのおかげで新鮮です。気分転換ができると同時にしばしの間癒されるのです。大人でいることは常に我慢を強いられるので、絵本を読んでいるときだけは童心に帰ることができます。「思いがけず泣いてしまって、恥ずかしくて顔があげられませんでした」などという声を見つけて、自分と同類の人がいるのだと嬉しくなりました。これは絵本の広告に載っていた40代男性の方の感想ですが、おじさんにだって、おばさんにだってピュアな心はまだあるのです。その点において絵本は必要不可欠なのです。

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