人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

阿佐ヶ谷姉妹のホンワカの秘密とは

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普通の人のように見えてしまう不思議さ

 芸人コンビ・阿佐ヶ谷姉妹を始めて見たのは、点けっぱなしにしてあったテレビのバラエティー番組でした。当時は彼女たちのことを全く知らなかったので、一般の人が出ているのかと思ったら、芸人だとわかって、意外さの中に新鮮な驚きを感じました。一見して、実の姉妹のように似ているのに、赤の他人なのも興味深い人達です。お二人は私生活でも隣同士の部屋に住むほど、仲がいいらしいのです。二人の何でもない日常をカメラが捕らえた番組も見ましたが、いつも通りの彼女たちでなんだかホンワカしてしまいました。女性の芸人さんと言うと、何か強烈なインパクトがないとダメな気がして、私たち普通の人間には雲の上の人達のように感じます。でも阿佐ヶ谷姉妹は、やたらと喋り捲るわけでもないし、ギャグを連発するわけでもありません。正直言って、私はお笑いが苦手なので、というより、笑いの素が理解できないのです。だから、姉妹が見せる普通さに安心し、また癒されるのだと思うのです。

 でも以前見た番組で、あれはバイクに乗ってどこかを旅するという企画だったと思うのですが、お二人を見かけました。その時の彼女たちはいつもの上品なピンクの衣装ではなくて、なんと革ジャンを着た黒一色のいでたちでした。まるでそれは風を切って走るライダーの服装そのものです。まさか二人ともバイクに乗るの?と思ったら目から鱗で、二人の勇姿は見られなかったものの、また一つ新しい発見をしたのでした。

相手がしてくれるのは当然、ではなくサービス?

 彼女たちは「姉妹」であることが仕事で、当然昼や晩の食事は一緒に食べることが多いそうです。彼女たちの本を読んだら面白いエピソードを発見しました。ある日、ひとりが自分だけシチューを取ってきて食べていたのです。その時もうひとりは、「どうして、私の分も持ってきてくれないの?」と一瞬そう思って困惑しました。「自分の分をお皿に盛るときに、私のことは考えないの?普通は考えるでしょう?」と自分の中での普通を相手に押し付けようとしてしまった。それでも、一瞬立ち止まって考えてみた、相手が自分にしてくれることは、当然とか普通ではなくて、サービスなのかもと。そう思ったら、何か自分の中のわだかまりがストンと落ちてすっきりした。

 そして、こうも言うのです、「普通という感覚は人ごとに微妙に違うもの」なのだと。これには「なるほど、そう考えればいいのか」と感心してしまいました。この思考法なら、相手への些細な疑念も抱かずに済むし、自分もイラっとすることもないのです。「なんでしてくれないのよ」と相手を責めることもないし、当の相手が何のことだかわからず「ポカーン」とすることもないのです。第三者から見れば、「そんなことで?」と笑い話になるようなことで、じわじわと相手との亀裂が広がっていく。その怖さを想像してみれば、相手への誤解はすぐにその場で消すことが大切だとわかります。 それにしても「サービス」という表現は素晴らしいです。その言葉は軽い響きを持っていて、その時の気分でしてもしなくてもいいような気がします。とくに理由など無くてもいい、なんとなく自然でいいのです、そんな自由さが嬉しいのです。だからサービスをして貰ったら、素直に感謝し、相手に過度な期待をしない、求めすぎないのが賢明なのです。その点で阿佐ヶ谷姉妹の考え方は人間関係を複雑にしないための有効な手段と言えるでしょう。

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