人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

秋の気配とウィーンの8月

f:id:mikonacolon:20200912195521j:plain

 秋の足音が聞こえて来た

 夜中に急な寒さに襲われて飛び起きてしまいました。まだ夏だったはずなのに、人間の事情などお構いなく季節は巡ってくるのです。暑いのはもう勘弁して欲しいと言うのが本音なのに、涼しいのは大歓迎なのに、なぜか不安になるのです。それは最近では心地よい秋の気候が無くなり、すぐに寒さがやって来るからです。それで、自然と寒さに備えなきゃと身構えてしまうのです。暑いか、寒いかのうちのどちらかしかなく、ちょうどいい季節がないのですから。私の頭の中は、これから寒さとどう付き合おうか、インフルエンザの予防注射はいつにしようかなどとの雑念でいっぱいになりました。

ウィーンの8月は秋、いいえ冬かも?

 そんな中新聞で見つけたのは、ウィーンに赴任した新聞社の特派員の方の報告です。8月下旬にウィーンに赴任したら、日本と同じ夏真っ盛りだったのに、数日たったら冬の寒さで驚いた。でも街で見かけた人達はまさに冬のいでたち、準備の良さに感心したとのこと。それって、まさに「あるある」で私も予想もしなかった寒さに震えあがった経験があります。あれはもう10年以上も前シェーンブルン宮殿を見にウィーンに行きました。7月の終わりに行って8月のお盆前に帰ってきました、そうしないと航空運賃が2倍になってしまうからなのですが。もともとヨーロッパの夏は短くて8月は夏でなくてむしろ秋だと考えた方がいいとどこかで聞いたことがありました。しかし、現地に行ってみると日本と変わりないのでそんなことは忘れていました。

アラブの女性が多いのはなぜ?

 人々が大勢行きかう大通りにあるスターバックスで外を見ながらコーヒーを飲んでいました。すると、「あれ~?どうしてこんなに多いのだろうか?」と自然と疑問が湧いてきました。映画やテレビの映像でしか見たことがない人達、つまりアラブの女性たちの姿が目を引いたからです。顔をベールで覆い、黒づくめの服装の女性たちの集団はどうしても目立ってしまいます。他のヨーロッパの街とは違う光景は実に新鮮だったので、できればそのまま人間ウォツチングをしていたかった。でも、友達の「世界水泳が見たいから、ホテルに帰りたい」という意見を無視できずに、私の束の間のひとときは終わったのです。思えばあの時はイアン・ソープマイケル・フェルプスなどのスターが絶大な人気を集めていました。だから友達のどうしても見たい気持ちも無理もないことでした。

黒のイメージなのに出会ったのは緑?

 聞くところによると、アラブの女性たちのあの服装は身分や家柄には関係なく、宗教上の習慣に従っているとのことです。一度だけ、あの服装を間近に見たことがあります。あれはモロッコのタンジェールのホテルで、チェックインを終えて部屋に行こうとしました。エレベーターに乗り込みボタンを押そうとすると、子供を連れた家族連れが乗ってきました。夫らしき男性と子供はどこにでもいる格好でした。ところが女性は黒づくめの衣装で全身を覆い、頭からベールをすっぽりと被っています。唯一目の部分だけが細かい網目になっていて、大きな目が印象的だったのを覚えています。今、はっきりと思いだしました、あの時の女性は黒ではなくて、深い緑色を着ていたのです。あの時「あれ?どうして緑なの?」と一瞬戸惑ってしまった記憶があるのです。正直言って慣れないので面食らってしまったのですが、驚いたら失礼かと思い知らないふりをしました。

 ウィーンの話に戻ると、着いた時は確かに夏でしたが、そのうち8月もまだ上旬だというのに急に冬の寒さになりました。ホテルの部屋には出番のなかった扇風機が居座り、それを横目にあるだけの毛布を被って寒さに震えました。夏なのに「何でもいいから暖かいものが飲みたい、食べたい!」と心底思った8月のウィーン。その結果、ヨーロッパの中でも、特に「ウィーンは寒いところ」というイメージが私の頭に植え付けられたのです。

mikonacolon