人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

手作り弁当は母の愛情表現?

f:id:mikonacolon:20191113132604j:plain

弁当の手作り信仰にノー

 昨日の夕刊で作家の篠田節子さんが日本の手作り弁当信仰に敢然とノーを突き付けていました。篠田さん自身はお子さんがいないので弁当作りの経験はないそうです。ですがSNS上にある同業者のメッセージには”もう限界”のため息がひしひしと感じられたとか。睡眠時間を削ってまでなぜ弁当を作らなければならないのか理解に苦しむし、弁当は愛情表現という世間の常識に惑わされるなと声を大にして訴えているのです。いい加減にもう手作り弁当が一番という信仰はもうやめたほうがいいのだと。物理的に時間がないとかで作れなくても、そのことで罪悪感を感じる必要は全くないのだとも書いています。それと今のようにコロナウイルスによる感染症が流行っているときはなおさら弁当は止めたほうが賢明なのではと忠告しています。

中国人は合理的で実際に実行する

 以前に何かで読んだのですが、中国人の企業で要職にある女性が日本人の子育てについて批判していました。彼女は二人の子供を持つキャリアウーマンなのですが、手作り弁当にこだわる日本人に違和感を感じていて、とても理解できないと言っていました。時間がないのにどうしてそれを優先するのか、そして、できないと罪悪感を持ってしまうような日本の文化にうんざりなのだそうです。合理的な中国人である彼女は「私でなくてもできることはやらなくていい」と決めていて、炊事、洗濯に加えて、弁当作りもその一つです。

 その一方で、「私でなければできないこと」は会社での自分の仕事と子供とのコミュニケーションをとることです。子供の学校の行事にもできるだけ参加するのは彼らと話題を共有したいとの思いからです。子供たちにとっては「母親は私」だけで私の代わりはどこにもいないからこそ大切なのだといいます。

 海外のテレビドラマでこんな場面があったんです。それは看護師の女性が子供たちの待つ家に帰ってきたところから始まります。彼女はシングルマザーなのですが、日本だったら、真っ先に台所に行って夕飯の支度を始めますよね。でも、違ったんです、彼女はコートを脱ぐと、子供たちに「みんな座って、これから映画を見ましょう」と誘ったんです。家族みんなでゆっくりくつろぐ、そんな発想は日本人には欠けているし、できないと思うのです。夕食はどうするか、については宅配ピザかなんかでいいのではないでしょうか。

無理して弁当は作らない中国人

 そういえば、姪が高校生の時に中国人の女の子がクラスに入って来ました。今までずうっと中国で暮らしてきて日本語はあまり得意ではないそうですが、父親は日本人だとのことです。その子は皆のようなお弁当は持ってこなくていつもお店で売っているパンを食べていました。不思議に思って「なぜいつもパンなの?」と尋ねてみたそうです。すると、家が遠くて母親が朝早く起きれなくて作れないからと言うのだそうです。それで、「じゃあ、お母さんは仕事で忙しいのね」と返すと、母親は働いていないのだとか。つまり、”娘に持たせる弁当”というのは、日本人のように無理してまで作らなくてもいいものなのです。姪は「可哀そう」なんて言ってたけど、その子も特に不満にも思っていないのですから問題ないではありませんか。中国人にとっては弁当は辛い思いをしてまでして作らなければならないものでもないようです。

mikonacolon