人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

コロナで変わっていく大型書店

今週のお題「好きなお店」

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カミュのペストよりもリアリティに富んでいて、読んでみるとそのあまりの悲惨さに胸が押しつぶされてしまう。

久しぶりの大型書店には変化が

 久しぶりにお気に入りの大型書店に行きました。コロナ禍で2か月近くも店が閉まっていたからです。行ってみて閉まっていたらがっかりするので、あらかじめネットで確かめてから行きました。街はコロナが流行る前と変わらないくらい大勢の人で賑わっていました。ところが、意外にも書店の中はガラ~ンとしていてあまり人がいないのです。店の中を進んでいくと、レジ前には長蛇の列ができていたので少しホッとしました。この書店は座り読みができるので人気があったのですが、本を選ぶために置かれてあった椅子はもうありませんでした。椅子がないことは予想していたことであり、三密を避けるためにも必要な処置だと思います。新聞に載っていた政府の指針によると、書店での立ち読みは自粛するようとのことでした。ですから、座り読みなんて、もっての他なのです。大勢の人が触った本はもしかしたらウイルスが付着しているかもしれないから感染のリスクがあるのでしょうか。それにしても立ち読みする人すら数えるくらいしか居ないなんて!やっと営業を再開したのに、これでは書店はやっていけるのか大いに疑問です。書籍の購入はネットの方が安全かもしれませんが、リアルな書店の楽しみにはとうていかないません。それに本をセールストークだけで買ってしまったら、後悔ばかりで、「まんまと騙された!」と私みたいな経験をすることになるのです。

 

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▲1943年のシャーロック・ホームズの映画から引用された「他人が腹を空かしているとき、自分だけ悠々と腹を満たすべきではない。他人が寒さに震えているとき、自分だけ暖かなベッドで眠るべきではない」とのワトソンの言葉が印象に残った。

誰でも受け入れる書店だった

 この書店はデパートや商業ビルが立ち並ぶ繁華街にあり、8F建てのガラス張りのビルなのでよく目立ちます。その昔、大型書店の噂を耳にしたときは開店の日が待ち遠しかったです。当時珍しかった椅子に腰かけて本が選べる書店で、まるで図書館のようだとワクワクした記憶があります。書棚が立ち並ぶ光景はまるで本の森で、好きなだけ居られたし、本も読み放題で、丸一日居ても飽きなかったのです。当時はテーブルと椅子があって至れり尽くせりで、そこで勉強する人もいたほどです。休憩所として利用する人もいてスヤスヤと昼寝をしたりして、まさにやりたい放題でした。最初のうちは店員さんが注意していましたが、そのうち諦めてテーブルは無くなり、椅子だけになりました。

 思いだすのは、当時できたばかりの頃は行き場がないと思われる人たちが朝早くから来ていたことです。入り口を入ってすぐのところに椅子が4つぐらいあって、そこには何もせず目を閉じてじっとして座っている何人かの人達がいました。その後行くたびに目撃していたのですが、あまり気にもしていませんでした。今思いだすと、何年か経って急に見かけなくなって、最近はめったに来ていないようです。はっきり言って、冬の書店は寒くてよほどの忍耐力がない限り座り読みは辛いです。読み終えた頃には、身体が冷え切ってしまい風邪をひきそうになります。好奇心に駆られるまま熱中し、読み終えて余韻に浸っていたら、急に寒さに襲われて後悔することになるのです。

 これからコロナ禍で働き方が変わって行けば、昼休みや営業の合間に書店に立ち寄る人も減っていくと思うのです。だとすれば、午後にやってきて、雑誌や書籍を読んだりして時間を潰していた人たちもいなくなるわけです。ただでさえ、書店の存在意義が揺らいでいるのに、これから先どうなるのか想像するだけで恐ろしいです。

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