人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

本屋でやらかした私が思ったこと

今週のお題「告白します」

f:id:mikonacolon:20210220172758j:plain

 ビニールが掛かっている本を読んだら

  実は私、先日もし見つかったら、怒られてしまいそうなことをやってしまいました。それは本屋でのことで、私の読みたい本はビニールが掛けられていて、買わないと読めません。確かに数日前は10冊ほど平積みしてある本はすべてビニールが掛かっていたはずです。でも先日また行ってみたら、その中の1冊はなんと読めるようになっているのです!信じられませんでした、きっと誰かがビニールを剝がしたのに違いありません。その時の私の正直な気持ちは、「やった!ラッキー!」なのですが、やはり罪悪感もジワジワと湧いてきました。読んでいいのかどうか迷いましたが、「このチャンスを逃したくない」という気持ちでいっぱいです。ふと周りを見回してみると、書店員さんは近くにいない様子です。そこは中規模書店なので、店員がやたら側に寄ってくることはないのです。だから、欲望に駆られて、しばし本に熱中してしまいました。

 その本の題名は『スナック キヅツキ』でイラストレーターの益田ミリさんの漫画でした。スナックと言っても、アルコールは置いてないらしい。ええ~?それっておかしいでしょう?そんなの変だと普通の人は思います。でも作家の想像力は私たちの常識を遥かに超えているので、変だと思われてもお構いなしなのです。つまり、変だというのはユニークなことであり、そんなことを思いつくのは才能あってのことなのです。「キヅツキ」という名前もあの鳥のキツツキに似ていて面白いです。本の帯には、そのスナックには毎日の生活の中で疲れた心を癒しにお客さんがやってくると書いてあります。それで、私などはてっきりスナックの主人が話を聞いてくれて、お客さんが癒されるのかとばかり思っていたのですが、読んでみて目から鱗でした。まさに「こんなのあり?こんなんでいいんだ!」で、ありえない世界を表現するのは作家にとっては至福の時なのではと思ったのです。誰も思いつかないような、とんでもないことを考えてしまう。そんな創造する楽しみを味わえるのは、非凡な才能を持った人だけに限られるのです。

キヅツキはストレス発散の場所

 例えば、最初にスナックを訪れたのは、コールセンターで働くナカタさんでした。ナカタさんは毎日毎日お客さんに電話で応対していて、無理難題を言われることもあってだいぶ疲れているのです。自分の要求が通らないと、必ず「お前じゃ、ダメだ。責任者を出せ」と言ってくる。そして、そんな時初めて「あなた、名前は?」と聞いてくるのだ。転職 したいとも思っていて、面接を受けてはみるが、いまひとつアピールすることができない。一応彼氏は居るのに、彼氏に気を使ってばかりで、自分が空腹だと主張できないでいる。「あまりお腹空いてないから、俺はモロキュウでいいよ」だなんて、ふざけるなと内心は憤っているのです。だから、前に出られない私って何?とナカタさんはため息をつくのです。

 そんなナカタさんが何かに誘われるように入ってしまったのが、スナック キヅツキでした。そこの女主人はコーヒーを出すと、まるでナカタさんの心模様を見透かすようなことを言うのです。ギターを取り出すと、「ほら、ここで、あんたの言いたいことを吐き出しちゃえば」と自ら「この頃は腹の立つことが多すぎる」などと歌いだしたのです。そしたら、ナカタさんもつられて「私だって、感情のある人間なのよ」とか「わがままもいい加減にして」などと日頃の鬱憤を晴らすように声を張り上げるのです。散々叫んだあとにナカタさんは「おかげで今日はなんだかすっきりした。ありがとう。また来ます」と笑顔になることができたのです。

mikonacolon