人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

書道の先生は私立中学の国語教師

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先生との出会いは偶然に

あれは私がまだ20代の頃、あるマンションの前を通りかかるといくつか看板が置いてありました。「塾の生徒募集」とかいろいろある中で「書道、ペン字、生け花教室生徒募集」という看板を見つけて、その場所がこのマンションの3Fだったのです。当時の私は向学心に燃えていて何か自分のためになることをやりたかったのです。そんなときに偶然先生が出した看板を見つけてすぐに会いに行ったわけです。チャイムを鳴らすとすぐに声がして「どちら様ですか」と聞かれます。書道を習いたいのですがというとドアが開いてそこには明るい感じの美人の先生が現れました。「どうぞ中へ」と言われてお邪魔して話をすると、まだ独身で私立中学の国語の先生だということがわかりました。学校から早く帰れる日に教室をやりたいので、稽古は週に多くて2回程度にしたいとのことです。先生は今でいう副業を本格的に始めたいと思っていて、それには今住んでいる2DKでは手狭だと考えていたのです。確かに書道教室はダイニングテーブルで生徒4人が何とか座れるスペースしかありませんでした。これ以上生徒が増えることを想定してもっと広いところへの住み替えも考えていたようです。

財産を取られなくてよかった?

先生のマンションに書道と生け花の稽古に通うようになって、自分より13歳上の38歳だということがわかりました。年齢からしたら見た目も気持ちも若い先生はもう結婚はしないと思うと言うのです。先生は男性は若く見える人がよくておじさんはダメ、となると必然的に年下の男性を好きになってしまうのだそうです。先生が好意を持つと美人で明るい性格なので恋愛に発展してしまうのに、どうしても自分が年上ということに抵抗があるのだとか。先生に言わせると、過去に「大失恋」をしたそうで、結婚まで考えたのに泣く泣く諦めた男性がいたそうです。自分は30代で相手は10歳も年下の男性で、でも互いに意気投合して一緒に居て楽しい人でした。「大好きだけど泣く泣く結婚をあきらめた」という先生ですが、諦めた言い訳として「でもよかった、もしかしたら私の財産を取られたかもしれないでしょ」なんてことを平気で言えるのです。結婚してうまくやっていける自信がなかったというよりも、相手への信頼が欠けていたというしかありません。先生は恋愛に熱中するも、どこかで冷めた部分があって守るべき財産も持っていたのです。

玄関のドアを開けると贈り物でいっぱい

先生と知り合うまで知らなかったのですが、私立中学に子供を通わせている親は年2回は必ず教師に贈り物をするのだそうです。つまりお中元とお歳暮のことで、それが商品券だったりお菓子の詰め合わせだったりいろいろですが、やらない親はいないそうです。後になって子供を私立中学に通わせている知人に話を聞くと、決まりはないけれどみんな誰でもやっていることだから当たり前と思ってやっているのだと言います。先生は贈答シーズンになると、玄関のドアを開けると贈り物でいっぱいなので家に帰るのが楽しみで仕方がないのだとか。「じゃあ、お返しとかはどうするのですか」と疑問に思い尋ねてみると、そんなものは必要ないとのことでした。勤めている学校まで遠くて時間がかかるので、車中でお化粧をして時間の節約をしています。毎朝乗るバスが幸運にも人がほとんど乗っていないので、睡眠時間の確保に役立っているのです。

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