人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

入院しない選択できますか?

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ガンになったのに入院を拒否

私の同僚のお兄さんは去年の7月ガンで亡くなりました。71歳でしたが、毎年人間ドックを受診しており、健康には気を使っていたそうです。世間ではガンは早期発見が大事で、初期なら大抵助かるというのが通説ですが、どうも必ずしもそうではないようです。彼の場合、最初は肺に小さなガンが見つかったそうで、小さいのならすぐに手術して取ればいいのではないかと誰もが思います。しかし、医者は取りずらい場所にあるので、少し様子を見ましょうとだけ言ったそうです。つまり、自分のところ、田舎の市民病院では手術できなかったのです。それから3か月して次の診察の日に医者は、ガンが大きくなっていますので、うちでは手術ができません、とはっきり言いました。大学病院を紹介され、受診すると、手術は無理なので入院して放射線治療を受けるように言われました。しかし、彼は入院を拒否したのです。それは、入院生活は自由がないし、お酒も飲めないからです。つまり、そんな不自由な思いをしてまで放射線治療をうけたくないのです。それに、医者も放射線治療が有効な治療方法とは言わないし、それどころか、反対に放射線治療をした人の方が長く生きられないとさえ言うのですから。放射線治療しかない、あるいは有効と言われて受けた人は、やせ細り元気がない人が多いようで、自然と生きようとする意志さえもなくなるそうです。

余命3か月と言われて食べられなくなる

入院や放射線治療を拒否することは誰にでも出来ることではないと思います。普通は医者の言われるままに、入院するでしょうし、放射線治療も受けるでしょう。溺れる者は藁をもつかむ、という諺もあるようにそれしか選択肢がないし、何もしないということは考えられません。さて、何もしない選択をした彼はその後どうなったでしょうかか。彼は自宅で、テレビで野球を見たり、衛星放送でゴルフの試合を視聴したりして、ごく普通の生活をおくっていたのです。たまには友人と車で温泉に行って楽しんだりもして、好物の寿司やウナギも食べに行きました。入院を拒否してから1年半あまりの間、彼は自分で満足のいく生活を満喫しました。彼はガン患者だとは思えないくらい普通の生活をおくることができました、医者にお盆までは生きられないと言われるまでは。自分から医者に聞いたのに(普通は怖くて聞けませんよね)、3か月ぐらいと聞かされた途端、それまで旺盛だった食欲がみるみる消えました。食べようと思って口まで食べ物を持って行っても、口の中に入れることができません。もう彼の身体が食べ物を受け付けなくなっていたのです。

もう十分生きたから後悔はない

彼の妻の話によると、彼は自分はもう十分生きたから、死んでも後悔はない、と思っていたらしいのです。自分の仕事もけっこう好きな仕事だったし、ゴルフもさんざんやったし、夢だったクラウンにも乗れたし、今の生活に満足しているのでもうこれ以上はいいんだ、そんな気持ちだったのだと。それでも死ぬまでの3か月は痛みとの闘いだったようです。モルヒネも使っていて、痛みが出ると使うのですが、3時間たたないと効かないのでそれまでは苦しみます。絶対あやまらなかったワンマンな彼が、「これまで迷惑かけて悪かったな」と妻に言ったのが最後の言葉だったそうです。生前、妻にお前に謝るときは死ぬときと言っていたのは本当にそう思っていたのですね。ある記事によると、死期が近い人というのは自分の外側のことにはまったく関心がなくなるそうで、自分の意識が内側に向かうのでまわりのことは気にならなくなるそうです。

 

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