人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

旅先で眠れない時は

今週のお題「眠れないときにすること」

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セゴビアにあるグランハ王宮西側外観。NHKまいにちスペイン語テキストから。

いつもならじっと布団の中で朝を待つのですが・・・

 考えてみると、私は団体旅行でぐっすり眠れたことがありません。集合時間は朝早いし、不慣れな場所を次々と回って、当然疲れているに決まっています。もちろん布団に入る頃には欠伸がでて、眠くて堪らないのです。それなのにバタンキューとなるかというと実際にはなかなか眠ることができません。隣に寝ている友だちがスヤスヤと気持ちよさそうに寝ているのを眺めて羨ましく思うだけです。自分も早く寝てしまおうと目をつむってじっとしているのですが、そううまくは行きません。結局朝までじっとしたままひたすら朝が来るのを待つしかないのです。よく映画やドラマでは皆が寝てしまって自分だけ眠れない時に部屋を抜け出す場面が出てきます。でも現実には身動きが取れず、そんな冒険は夢のまた夢のお話です。

 以前姉二人と兄のお嫁さんと私の4人で浜松に旅行に行ったことがありました。皆で一緒に旅行に行くのは初めてだったので、何か思い出に残る特別なものにしたいと思いました。4人でホテルに泊まるというと、普通はツインの部屋を2つ取ることになります。その部屋も大抵はベットの側にテーブルとイスがあるだけで、ゆっくりできる環境とはとても言えません。それで、4人で一緒に泊まれて、もっとゆったりできる部屋はないものかと、ネットで検索してみました。捜してみたら、ありました!ホテルのスイートルームに泊まるプランが。それは1日一組限定で家族や仲間と自由に使えるというお得なもの。しかも料金は一日5万円なので4人で割ると1万円足らずで泊まれるのです。こんなお得なプランを利用しない手はありません。すぐに飛びついて申し込みました。

 さて、当日ホテルの部屋に入ってみると、8階の大きな窓からは見晴らしがよく、正面には浜松城の姿も見えました。ゆったり座れるダイニングテーブルの脇にはサイドボードがあって大型テレビがありました。そしてすぐ側にはツインのベッドが置かれていました。おそらくこの場所はソファがあるのがふさわしい場所なのですが、急遽ベッドを運び入れて定員2人のところを4人が泊まれるようにしたのでした。奥にはもう一つの部屋があってベッドルームになっており、バストイレ付きでわざわざ部屋を出て来なくても済むので便利です。

 奥の部屋は姉二人が使うことになり、お嫁さんと私はツインのベッドで寝ることになりました。ダイニングテーブルでお茶を飲みながら、私たちは夜が更けるまで語り合いました。話が尽きることは無いのですが、二番目の姉がお先にと言って奥の部屋に消えました。他の3人も意識が朦朧としてきたので、お開きとすることにしてしぶしぶ寝ることにしたのです。ベッドに入って、部屋のあかりも消して寝ようとしました。ところが、つい先ほどは睡魔に襲われたはずなのに、布団に入った途端目が覚めてしまって眠れません。そのままじっとしているのも退屈なので、どうしようと思ったら、自分は今スイートに泊まっていることに気が付いたのです。「ここは広いから静かにすれば大丈夫!」とベッドを抜け出して、ダイニングテーブルの方に行きました。薄暗闇の中でテーブルに頬杖を突きながら、窓に映る夜景を眺めていました。

 そうだ、お茶でも飲もうと思いつき、バスルームの脇にある流し台に置いてあった電動ケトルでお湯を沸かしました。夜景と暖かいお茶で何とか朝までやり過ごそうとしたら、「一人で何してるの?」と側で声がしました。兄のお嫁さんが起きてきて私にいたずらっ子のように笑いかけました。それからは二人で座談会をしていたら、白々と夜が明けました。私たちは小さな声で話していたはずなのに、次の日に姉に「何やら楽しそうな笑い声が聞こえたけど、何してたの?」と言われてしまいました。どうやら夜中にトイレに起きたときに私たちの話し声を聞かれたようなのです。でも2番目の姉からはお咎めなしだったので、そんなに迷惑をかけたわけでもなさそうです。

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