人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

コロナ禍の子供の未来は大変、でも必ず希望が

お題「#この1年の変化

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子供たちは本当に可哀そうなのか

 コロナウイルスによる感染症が流行してから、子供たちは想像もつかないような忍耐を強いられています。突然の休校に戸惑い、学校がやっと再開したものの、楽しいはずの給食の時間が沈黙の時間になってしまいました。だから、そんな学校には行きたくないと思う子がいるのは自然なことです。知人の話によると、高校生の息子さんは最近食欲が落ちているとか。以前は底なしの食欲に呆れていたのにどうしたことか。何と息子さんは毎日机にアクリル板を立てて弁当を食べていると聞いて納得した。彼の旺盛な食欲もさすがに精神的な抑圧には勝てなかったのだ。いつまでこんなことが続くのか、とか、これから先どうなってしまうのか、いくら考えても答えなど出ないことを考えてしまうのだ。精神的に落ち込んだ時には自分の好きなものを食べればいい、そうすれば沈んでいる気持ちが一気に吹っ飛ぶなどと聞いたことがあるが、今の状況には当てはまらない。なぜなら、普通なら美味しいと思える食べ物が今はそう感じられないからだ。身体の感覚が麻痺しているのか、脳が「美味しい」という信号を送ってくれないのだ。だから心は満足しない。そこで悲しいことに、食べ物にはもう頼ることはできないと悟らざるを得ないことになるのだ。

 それなのに、『コロナ禍の中で学ぶ皆さんは”可哀そうな世代”なんかじゃない』とエールを贈る人がいます。それは大阪市大空小学校で初代校長を務めた木村泰子さんという方です。驚くべきことに、その先生はいつも若い人たちに、『あんたらは、実はめっちゃ幸せなんやで!こんなチャンスはないんやで!』と励ましているのです。なぜなら、『私たち大人世代が若い頃に得ることができなかった体験ができるから』だそうです。つまり、その体験は経験となり、やがては知恵となってこれから生きていくのに役に立つのです。コロナ以前の生活は言ってみれば「想定内」だったのですが、これからは先の見えない「想定外」の世界を生きなければなりません。それには今までのような学力ではなくて、レジリエンス(逆境を生き抜く力)がどうしても必要です。生活力と言ってもいいのですが、先生はそれを見えない学力と呼び、どうしても身につけて欲しいと指摘しています。

 具体的に言うと、まず、自分なりの意見をちゃんと持って、それをみんなの前で発表できることが不可欠な能力なのです。しかし、これを書いている私に子供の頃、そんなことができたかと言うと到底無理でした。あの頃は学校は何かを強制的にやらされるところで、それに逆らわずに素直にやっていれば平穏な毎日を送れたのです。大抵は机に座っておとなしくして、先生に当てられたらちゃんと答えればOK でした。答えが間違っていると立たされることもありました。たまに前に出て何かを発表しなければならないこともありましたが、そんな機会は年に1度あればいい方でした。みんなの前で説明しなければならない時はもうドキドキで、頭の中が真っ白になって雲の上にいるような気分でした。そんな子供だった私は、これからは受け身ではなくて「自律」をと言われてもどうしたらいいのか、正直わかりません。

 ただ、人間は習慣によって変われる生き物なので、厳しい現実を突き付けられれば、生き残るために適応能力を発揮できると思うのです。そのためには子供が置かれている環境を整える、つまり親や学校の先生方のサポートが何よりも大切です。大人が今までの固定観念をかなぐり捨てて、子供を意志をどこまで尊重できるかが試される時なのです。

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