人生は旅

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早期教育と子供に一番必要な能力

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『伸びる子供は○○がすごい』

 今どきの子供はとにかく忙しいらしいのです。曜日ごとに行くところがあって暇などなかったのに、コロナの影響で自宅に閉じ込められて時間があいてしまった。それで、「ねえ、僕何をしたらいいの?」と困っている様子です。そんなときに、新聞で見つけたのが、日経のプレミアシリーズの『伸びる子供は○○がすごい』という本の広告です。「○○って何だろう」と思ったらどうしても知りたくなって、さっそく本屋へ行ったのですが、新書のコーナーにはありません。それで本の検索機で調べてみたら在庫ありと出ました。棚の番号を印刷して捜したら、すぐ見つかったので立ち読みしました。

早期教育は子供が生きていく力にはならない

 最近は、いいえ、前からその傾向はあったのですが、最近はストレートに他者と差を付けようと子供の教育に情熱を傾ける親が多い気がします。まだ子供が赤ちゃんの頃から早期教育を受けさせて、ヴァイオリンや英語に通わせます。果たして、そのような親たちがしていることは子供のためになっているのでしょうか。『伸びる子供は○○がすごい』の著者である心理学博士の榎本弘明さんは、早期教育ではこれからの不透明な時代を生きる力にはなりえないと断言しています。考えてみると、昔から「早期教育はて百害あって一利なし」と言われてきました。現在ではIQよりEQの方が社会で生きていくのに重要だと言われています。まだ周りが字も読めない子たちの中で、一人だけ早く字が読めたからといって優越感に浸って何になるのでしょうか。ある一定の年齢になればみんなすぐ追いつくのだから、「せかして、追い詰める必要」は全くないのだと。

12歳までに身につけたい「非認知能力」とは?

 榎本さんがどうしても言いたいことは、早期教育よりも「非認知能力」を12歳までに身に就けさせることが重要なのだということです。親に一番求められるのは、これから先一人で生きていける能力を子供に与えてやること、それこそ親の果たさなければならない役目なのだそうです。さて「非認知能力」とは何なのでしょう?著書によると、子供時代の様々な体験、つまり、木登りをしたとか、川で魚を取ったとか、蝶を追いかけまわしてやっと捕まえたとか、なんでもいいのです。そんな体験をしているうちに自然に身につく力のことだそうです。子供は親に「毎日笑い、野山を駆け回れ」と言ってもらえる存在であることが理想です。

 そう言えば、外国人は自分の子供を都会のマンションよりも田舎の一軒家でのびのび育てたいと望みます。子供には自然が必要だし、何より子供のためになるとの信念があるのでしょう。今流行りのタワーマンションで子育てするのは日本人ぐらいのものだそうです。日本人は子供にどれだけ悪影を及ぼすか何もわかっていないと専門家も警告しているほどです。

○○は逆境に負けない心

 「非認知能力」がある子供は今まで身体と心の両方で様々な場面に遭遇してきているので、自分の行動に自信を持っています。何事も自分からやる自発性があるし、今までの経験から自ずと忍耐力も身についているのです。でも、正直言って「駆け回る野山がなかったらどうしたらいいの?」と疑問に思いますよね。だから少しは生活能力を身に就けさせるために、家のお手伝いを責任を持ってやらせることが大事だそうです。そんな環境だと、長い休みには思いっきり自然の中で遊ばせてやりたくなります。

 結論としては、著者が本のタイトル「伸びる子供は○○がすごい」で言いたい○○はレジリエンス、つまり逆境に負けない心です。今まで体験したことが、たとえ失敗であっても、逆境に負けない心を育む助けになるのだと言いたいのです。

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