人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

チョコレートと行動する人

今週のお題「チョコレート」

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子供の頃食べたチョコレートは大人の味

 今思うと、子供の頃はよくチョコレートを食べていました。あの頃食べていたのはロッテのチョコレートで、特に印象的だったのはバッカスとラミーです。二つに共通しているのはお酒が入っていることです。バッカスは中にコニャックが、ラミーはラム酒に付け込んだ干しブドウが入っているのです。どうも、そのころは家族が好んで食べていて、それを子供の私がちゃっかり味見をしていたわけです。どんなに美味しいかとワクワクしながら、バッカスを食べてみた。口の中に入れて噛んだ途端、ドロリとした液体が流れ込んできた。一瞬口の中が熱くなったのでうわっとなった。でも吐き出すようなことはしなかった。少し苦みのある味が口の中に残ったが、何よりいい匂いがする。さすがに美味しいとは思えなかったが、何か後を引く味だった。ラミーにしても、子供ながらラム酒のぷんぷんするいい匂いに惹きつけられた。食べているうちにいつの間にか黄緑色の干しブドウが大好きになった。とまあ、こんな風にして私はお酒入りのチョコレートが大好きになったのです。

 大人になった今ではチョコレートをあまり食べることはありません。歯に悪いとか、太るとかそんな理由からではありません。自然と身体が求めないというか、欲しがらなくなったのです。でも以前、スーパーで「ブラックサンダー」の袋入りを見つけたときはすぐに買い物かごに入れました。あんなにいっぱい入っているのに300円はお得です。人気があるみたいで1週間もしたらすぐに売り切れてしまいました。

ガーナにチョコレート工場を建てる

 考えてみると、子供の頃も大人になった今でも、美味しいチョコレートがどこから来るのか、なんてことは考えもしませんでした。チョコレートの原材料はカカオで主な産地はガーナであることは誰もが知っています。でもカカオ豆を栽培しているのはどんな人達で、どんな暮らしをしているのか。そんなことは考えたこともありませんでした。実際にカカオ豆を育てている人達はチョコレートを食べたことがない!とは以前聞いたことがありました。そのことを知って「そんなのおかしいのでは」と思っても、だからと言っていったい何ができるのか。やるべきことがすぐには思いつかない。だから諦めて、すぐに忘れるようにしていたのです、海の向こうの遠い異国の話として。

 ところが、先日新聞で、弱冠22歳の女性が「ガーナにチョコレート工場を作った大学生」として紹介されていました。その人は子供の頃からチョコレートの甘さに勇気づけられ、癒されてきました。いつも「こんな美味しいものを作っているのはどんなひとなんだろう」と思っていたそうです。思うだけならだれでもできます。でもこの人は違いました。アルバイトでためたお金で実際にガーナに行ってしまうのです。普通の女の子は海外旅行に行きたがる時代にあって、子供の頃からの強い想いが彼女の背中を押したのです。現地に行ってみたら、カカオ農家は悲惨な状況でした。ここまではできるとしても、ひとりでいったい何ができるのか、ほとんどの人は思い悩み壁にぶち当たります。

 そこで、農家を救うために彼女が考えたのは、品質の高いカカオを生産し、高い価格で流通させることです。そうすればガーナも日本も幸せになれるはずだと。でも、具体的にはどうやって実現するのか。驚くべきことに、彼女はインドネシアや台湾の農場にカカオの栽培法を学びに行きました。「そこまでするか!」と言うのが正直な感想です。ガーナ政府とカカオの値段を決める交渉もしました。そして、アルバイトやクラウドファンディング集めた資金で、現地にチョコレート工場を建ててしまったのです。現在は一年の半分はガーナで暮らしているという彼女。子供の頃のチョコレートへの想いは大人になっても消えることはなかったのです。それどころか、その情熱は具体的な形となり、目的となって自らを行動へと駆り立てたのです。「これって、フィクションでなくて本当の話なの?」と思わず疑ってしまいそうになります。そんな凄いことをやり遂げた彼女に脱帽するしかありません。

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