人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

シカゴタイプライター

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ファン第一号になると決めた

韓国ドラマ「シカゴタイプライター」には、自分がファン第一号になってあげたいという作家愛に溢れているヒロインが登場します。そんな彼女も今をときめく流行作家になった主人公セジュにとってはストーカーでしかないのです。彼はもう忘れているのです、10年前の貧しくてまだ作家の卵だったころの自分を。ファーストフードの店で朝から晩まで何かを一生懸命に書いていた彼を彼女はずうっと見守っていたのです。時にはサービスだと言ってコーヒーを差し入れたこともあったのです。面と向かって話をしたこともあって、どんな作家になりたいかと尋ねてみたのです。そしたら、誰にも書くことが出来ないものを書ける作家、つまり唯一無二の作家になりたいと彼は確かに言ったのです。誰にも模倣できないものを書けるように、だからひたすら文章修業をしているのだと。まだ無名でこの先売れるのかどうかもわからないのに、そのひたむきさというか情熱が好ましく思えたのか、自分がこの人のファン第一号になると決めたのです。

本好きの彼女は常に本とともにあり、疲れたときも、悲しい時も本に救いをもとめるのです。「厳しい世の中にあって救いは本だけですから」とさらりと言える彼女はセジュと心が一瞬通い合うのです。10年経っても忘れていない彼女と昔のことなどすっかり忘れた彼が再び出会って物語が始まるのです。再会した時、彼女は「成功してあなたは今何を手に入れたの?あなたの小説は何をもたらしたの?」と尋ねます。すると、彼は「莫大なお金や豪邸、車に化けたよ」と屈託なく笑います。

本や詩が心のよりどころ

本好きの人は疲れた時にも本のページを開くと癒されるそうですが、私のような普通の人間は本などもってのほかで、ページを開く気にさえなりません。そして1日の終わりにもページを開いて1日を終えるのが本当の本好きと言えるのです。それで以前の新聞の記事で小沢夜景というその当時話題の歌人を特集していたのを思い出しました。彼女は現在フランスのニースに住み、毎日コートダジュールの海岸を散歩するのが日課です。子供の頃から詩が大好きで、というより家に本が無くて詩集しかなかったそうです。それで、子供頃から詩ばかり口ずさみ、いつしかそれが心のよりどころとなりました。現在もニースの海岸を散歩しながら、自分でも知らず知らずのうちに詩を口ずさんでしまいます。近くにいた老紳士に声をかけられて初めてその事実に気付いてびっくりしたそうです。

作家は苦悩する

圧倒的な才能があって素晴らしい小説を書く作家でも、有名になって収入もあればいろんな苦悩が沸き上がってくるものなのですね。規模を大きくして会社まで作ってしまえば、書きたいものが無くても書かざるを得なくなります。プロジェクトまで立ち上げて、「お前が書かなきゃ会社はどうなるんだ」と脅されて、無理だと断れば、ゴーストライターを使おうと提案されてしまいます。自分の自尊心を傷つけられ、スキャンダルにも巻き込まれてもう心はズタズタです。彼は昔自分の作品を盗まれた経験があります。だから絶対他人の作品は盗まないと決めているのでなおさらです。

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