人生は旅

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『親愛なる君へ』の変わらなかった愛

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 2週間で芽生えた恋はどうなる?

 動画サービスのGAOで映画『親愛なる君へ』を見ました。たった2週間で恋はできるものなのか、そして、その後に続く遠距離恋愛で二人の関係は変わらないと言えるのか、そんなことを考えながら見ていました。ジョンは偶然にサヴァナと知り合って恋に落ちるのですが、それは彼が2週間後に軍に戻らなければならないからこそ、二人の気持ちは盛り上がったのか、あるいは出会うべき運命の恋なのか。その答えが知りたいのならこの映画を最後まで見れば自ずとわかるでしょう。

 私などてっきりただの恋愛映画だとばかり思っていたので、適当に飛ばして最後まで見てしまいました。でもラストシーンを見たら、「これは運命の恋、というよりも5年以上の歳月を経てもなお変わらなかった愛の物語なのだ」と気づいたのです。結末を知ってしまったのに、それでもそこに至るまでの物語が知りたいそう思えたのです。だからもう一度じっくり最初からこの映画を見てみました。なぜこの映画に惹かれるのか、謎はすぐに解けました。原作者があの『君に読む物語』の作家で、ストーリーの中に視聴者を引きずり込み、物語に彩を与えているので飽きさせないのです。

遠距離恋愛は簡単じゃない

 軍の特殊部隊に属するジョンは赴任地を明かせない立場にあり、しかもネットが通じないことが多いので、二人は手紙で心を通わせるしかないのです。現代において、原始的ともいえる文通という形でしか連絡が取りあえなくて、彼を待つ立場のサヴァナは不安でしかないのです。

 一年もすれば除隊するはずだったのに、ある日、突然、ニューヨークの貿易センタービルが崩壊したのです。テロ事件が起こって、ジョンはアメリカに帰れなくなり、任期がまた2年延びてしまいます。そのため緊急帰国した彼は彼女と1日過ごす、なんとあの2週間の次はこの一日だけが彼らが一緒にいた時間だなんて!どうしても遠距離だとお互いの心まで遠く離れてしまう、とは思いたくないのですが、サヴァナはそんなに強くはないのです。ジョンは戦地にいて彼女の手紙だけが心の支えだったのに、当の彼女は寂しくて心細くてどうしようもないのです。一番側に居て欲しい時にはジョンはいないのですから。遠距離恋愛というのは口で言うほど簡単ではないようです。

コインが父と息子を繋いでいた

 映画は軍の特殊部隊がどういうものなのかを教えてくれて大変興味深いのですが、ジョンと父親の共通の趣味であるコイン収集に関しても面白い話題を提供してくれています。硬貨製造においては、たまにエラーコインというものが出てしまうことがあるそうです。例えば、表が5セントで裏が1セントのコインなどは希少なので、かなりの値段が付くはずだと言うのです。すぐにお金に換えることはせず、保管して家宝にし、親から子へ、そして孫へと受け継ぐのがベストだそうです。その珍しいコインを見つけたのはジョンで、7歳のときアイスを買ったときに貰ったお釣りに交じっていたのです。それ以来親子はコイン収集に夢中になり、特に父親は息子が10代になって興味を失っても変わらなかったのです。二人の恋とコイン収集、一見何の関係もないように思われますが、映画が進むにつれて絡んできます。ああ、そういうことなのか、と深く頷いて「きっと父親も喜んでいるに違いない」と納得できるのです。

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