人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

英語に片思い、万年初級の私

f:id:mikonacolon:20210329080129j:plain

いつだって情熱が続かないのに、取り組み続ける訳は

 私はこれまで、不真面目ながらずうっと英語を学んできたつもりです。確かに、長いブランクもありました。成果があまりにも上がらないので嫌気がさして、「英語の勉強なんかもうやめる」と背を向けたのです。熱しやすく冷めやすい性格の私は、何かをコツコツと続けることができないのです。どうも自分の中にふつふつと沸き上がってきた情熱の炎は、三日坊主ではないにしても、持って3か月程度なのだと、経験から知ってしまったのです。以前このままではいけないと一発奮起して、英語の場面ごとの会話集を買って来て暗記することにしました。毎日必ずやることにして、その本を1カ月で終わらせるのを目標にしたのです。それを3カ月続けたら、スラスラと英文が口から出るようになりました。でも達成感で一杯になった私は、ここらで少しくらい休んでもいいのではと甘い考えを起こしました。正直言って、3カ月間頑張ってきたので少し疲れたのです。もう少しで見たこともない景色を見ることができたかもしれないのに、その手前でやめてしまったのです。不思議なことに、いったん中断してしまうともう元には戻れません。すっかりやる気がなくなり、興味の対象が他のことに移っていくのです。少し前まであんなに熱中していた英語の勉強のことなど頭から消えてしまいました。

 そしてまたある程度の時間が経つと、何かの拍子に思いだしてやる気になる、言ってみれば、そんなパターンの繰り返しです、私の英語に対する取り組み方は。ではなぜそんなに英語に執着するのか、思いを遂げられないのがわかっているのに、気になる存在なのか。たぶん、それは海外旅行に不可欠なものだからです。世界中どこに行っても役に立つ手段としての英語が武器になるから、上達しないのにも関わらず無視できないのです。半ば諦め気味に、何かの時に使えるから知らないよりましという軽い気持ちで、今はNHKラジオの大西先生の『英会話』を聞いています。たまに問題の英作文を作ってみると、これが意外に合ってたりするのです。すると、ダメな自分でも少しは英語のセンスがあるのではとホッとしたりして。でもすぐにもうひとりの自分が出てきて、ホッとしていいレベルじゃないだろうと喝を入れるのです。とにかく英語との接点を無くさないようにすること、忘れてもまた覚えればいいじゃないというくらいの、今の言葉で言うとゆるい感覚でもって淡々と向き合うしか、落胆せずに済む対処法が見つかりません。

 はっきり言って、語学の基本は暗記で、どう言い訳しても覚えていない物は口から出てこないのです。それに基本がしっかりしていないと文が作れません。でも現実は集中して覚えたつもりでも、情けないことに翌日には忘れてしまっている。新しいことを覚えれば覚えるほどうまくいかない、そんな負の連鎖を断ち切るのにはどうしたらいいのか、悩みは尽きないし、またその解消法も容易には見つかりません。そう言えば、以前聞いていたNHKの中国語講座の中で、講師の佐々木勲人先生がこんなことを言われていました。「嘆いていても何も解決しない。だから行動するしかない、つまり勉強を続けるしかない」と。普段は優しい物言いの先生がこの時ばかりはきっぱりとした口調で言われていたのが印象に残りました。

 そんなことを言われても、怠け者の私としては、スポンジのようになんでも吸収してしまう頭が欲しいのです。一度覚えたことは絶対忘れない頭があったら、英語を学ぶのが断然楽しくなってしまうのになどと勝手に想像してしまいます。でもその反面、何もかも覚えていて、嫌なことも決して忘れない頭を持ったらどうだろうかと考えると悪夢でしかありませんでした。でも実際は少し様子が違うのだということを発見したのです。あれはテレビの番組で、普段の生活の中で忘れっぽくて困っている人達を取材していました。例えば、ある女性はスーパーに行く前はちゃんと買うものを覚えていたのに、店に着いた途端何だったか忘れてしまうのです。どうしてそんなことにと不思議で仕方がなかったのですが、私が仰天したのはスーパーに行く途中の出来事でした。ひとりの外国人が彼女に英語で道を尋ねたのです。すると彼女は困った様子も見せず、自然に英語で対処していました。彼女にとっては普通のことで、それに英語は忘れないみたいです。英語に関しては完璧に記憶しているのに、どうして日常生活については忘れるのか、とうてい理解できなかったし、またとても興味深い番組だったので覚えているのです。

mikonacolon