人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

花火大会の夜、ホテルでやらかした話

今週のお題「告白します」

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ディナーを楽しみながら花火を

 私は昔、ホテルのトイレを水浸しにしてしまいました。そんなことをやらかした本人が言うのは憚られるのですが、まさに想定外の出来事でした。想像もできませんでした、水を流すレバーの根元から水が噴き出してくるなんて!そしてあっという間にその水は床に流れ出しました。あれは以前友だちと花火大会に行った時のことでした。それは毎年テレビで放送される東京湾大花火大会で、夏の夜の空を彩る美しい花火を目の前で見たいとふと思ったのです。夏の思い出にしようと、どこかないものかとネットで検索してみたのです。そしたらホテルでディナーを食べながら花火を見られるサービスがあることを知りました。それは東京湾に面した、名前も聞いたことがないホテルでした。でも、私たちは突然思いついたので、日にちがあまりないにも関わらず、そこはまだ予約ができたのです。そのホテルの最上階のレストランの席は3つに分かれていて、料金は窓際からA席2万5千円、B席1万8千円、C席は1万円でした。最初は窓際の席にしようと思ったのですが、真ん中の席でも見られるのではと考えたら、少し迷ってしまいました。それに花火に2万5千円は少し高すぎるのではと余計なことを考えてしまったのです。だから、私たちは真ん中の席にすることにしました。

 当日、予約したホテルに行ってみたら、想像したより小さめのホテルでした。花火大会が開催されるため、交通規制が行われるので余裕をもって早めに現地に行きました。私たちはロビーでお茶でも飲みながら待っていればいいと簡単に考えていたのですが、それどころではありません。元々のロビーのスペースが狭い上に、もうすでに先客ありで満員でした。それで、人の邪魔にならないような柱の陰で待つしかなかったのです。最上階にあるレストランまで行ってはみたのですが、椅子もないし待っている場所も見つからないのです。

花火が始まる前にトイレに行ったら

 何とか時間をやり過ごした後、やっとレストランが開く時間になりました。実際は「ディナーを楽しみながら花火を」ではなくて、食事を楽しんだ後、存分に花火を堪能するためのサービスなのでした。食事はどの席でも同じメニューで、席が違うだけなのですが、やはり窓際の席は眺めがいいらしくお客さんは外ばかり見ています。その様子を見ていたら、滅茶苦茶羨ましくなりました。中途半端な席を選んでしまったことを後悔してしまったのです。そして、自分たちの席からは、空が少ししか見えなかったので、花火もこれじゃあ楽しめないなあと半場諦めていたのです、その時までは。

 さて、ディナーが始まり、デザートを食べた後、お茶の時間になりました。これから花火が始まるというので、トイレに行こうと思いました。いつものように無事に自分の席に帰って来られるはずでした。でも、トイレに行って、水を流そうとしたら全然流れないのです。レバーを押しても水が出ない。それで少し力を入れてグイとやってみました。そしたら少し出ました。でもそれじゃあまだ足りないのです。グイグイとさらにレバーを押したら、あろうことかレバーの根元から勢い良いよく水が噴き出したと言うわけです。「大変なことになっちゃった!」慌てふためいた私はその場から逃げ出したのです。何事もなかったような顔をしてトイレから去ろうとしていると、「何これ、トイレが水浸しじゃない」という声が聞こえてきました。ちょうど入って来たばかりの女の人達が騒いでいたのです。それを無視して、レストランに戻ってきた私は入口付近に立っていた店員に声をかけたのです、「なんかトイレが水浸しになってるみたいですよ」。それを聞いた途端、彼は店の外にすっ飛んでいきました。私はと言えば、もう報告したのだからこれで安心とばかりにホッとしていました。友達にも秘密にしました。たぶん、本当のことを話したら、とやかく言われる気がして嫌だったからなのです。

 話を花火のことに戻すと、花火が打ちあがった瞬間、驚いたことにみんなが一斉に窓際に移動したのです。花火に夢中になるあまりの行動なのですが、「これっていいの?」と思ってしまいました。でも、窓から離れた自分の席で花火を楽しむには、見える空の範囲が狭すぎるのです。窓際に近づいてみると、そこには広い夜空が見えて、花火大会が行われていたのでした。

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