人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

値上げの秋に順応する

今週のお題「今月の目標」

f:id:mikonacolon:20210929164044j:plain

▲フェリッペ2世の生まれ故郷バリャドリード大聖堂。NHKまいにちスペイン語テキストから。

この秋の食品値上げ、痛いが何とか工夫して乗り超えよう

 あの夏の暑さが嘘のように消えて、すっかり秋めいてきて10月になりました。そしてお約束のように値上げ、それも生活になくてはならない食品が値上げされます。どんなものが上がるかというと、マーガリン、コーヒー、それに輸入小麦粉などです。たしかコーヒーは前にも値上がりしましたが、またもやさらに値上げなのです。考えてみると、昔はスーパーでインスタントコーヒーは398円ぐらいで買えました。テレビのCMで有名人が「違いがわかる、ダバダァ~」とやっていたネスカフェが、今ではなんと550円にもなりました。さらに値上げとなると、大事に味わって飲まなきゃという気持ちになってきます。

 今はネスカフェで満足している私ですが、以前は「やはり香味焙煎でなきゃ」というこだわりを持っていました。香味焙煎の香りが好きですっきりブレンドだの深煎りブレンドだのと楽しんでいたのですが、ある時ネスカフェを飲んでみたら「これでもいいか」と思えたのです。香味焙煎の値段はネスカフェより高い、それでも美味しいから当然と思っていました。でもネスカフェで満足できるなら、わざわざ香味焙煎を買う必要もないという結論に至ったのでした。何でもやたらに飲んでいたら感覚が麻痺してしまって、美味しさがわからなくなってしまうのかもしれません。だから、これからは本当に飲みたいときにだけ飲むことにして、そのときの1杯のコーヒーをゆっくり味わおうと思うのです。

 コーヒーで思い出したのは、昔大好きだったマウントレーニアのカフェラテです。カップに入っていて、付属のストローを突きさして飲むタイプのコーヒー飲料のことです。当時はまだ100円ショップが珍しかった頃、近所にある薬局のビルの2階に某100円ショップが新装開店したのです。そこで売られていたのがマウントレーニアのカフェラテで、スーパーで138円なのに、全く同じパッケージで100円でした。私の友人などは節約と称して「同じものが安く売っているのだから、スーパーで買うのは馬鹿らしい」などと言っていました。

 ところが、試しに買って飲んでみると、何かが違うのです。う~ん、何だろう、そうか、ミルクの味が薄い、というかミルクの味がしない、コーヒーの味の濃くのなさがハッキリわかりました。明らかにスーパーで売っている物とは別物だと私の舌は判断したのです。何度か買ってみたのですが、いつも同じ味がしたので、それからは買わなくなりました。100円ショップは節約の味方のはずですが、そのためには各自の舌の感覚も麻痺させなければならないようです。私個人としては、今は本当に100円ショップとは無縁な生活をしています。人生で初めての100円ショップに出会った熱狂が覚めた後は、もう興味がなくなってしまったのです。

 最近新聞の「ひととき」欄で目から鱗の記事を見つけました。それは60代の女性の方の投稿で、先日叔母さんが亡くなって故人の物を片付けていた時の話でした。その叔母さんは女性にとってはいつも高級な着物を着ていて、凛とした美しい人でした。それなのに残された着物を見てみたら、なんとすべて安物でした。どれも綿や絣でどこにでもある何の変哲もない安っぽい着物だなんて。一瞬、今まで騙されていたんだと怒りとも驚きともつかない複雑な気持ちがこみあげてきました。次にタンスから取り出した叔母の下着を見て二度びっくりしました。下着はすべて何回も洗濯を繰り返した古い物で、継ぎ接ぎがしてあるものもありました。節約のために新しい物を買わないようにしていたのでしょう。その時女性はこれが叔母の生き方そのものなのだと実感したのでした。安物の着物でも装う人によっては高級着物に見えてしまうという魔法が存在するのです。女性はどうやらその魔法にかけられていたようなのです。でも残された遺品から伝わってきたものは、叔母の気骨なのだと思ったら、自然と涙が流れました。

mikonacolon