人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

フットカバーを頼まれて

今週のお題「お気に入りの靴下」

f:id:mikonacolon:20211122210701j:plain▲上海から地下鉄に乗ったら、こんな田園風景が見えてきた。NHKまいにち中国語テキストから。

見た目ではわからないフットカバーの履き心地

 以前職場で雑談をしていたら、ある後輩が「この辺りに西友ないですかねぇ」と呟きました。西友とはあの有名なスーパーマーケットで食品から日用品までのありとあらゆる商品を売っている店のことです。なぜ西友なのか、西友でなければならないのかと聞いてみると、お気に入りの靴下がそこでしか手に入らないからなのです。その靴下とは彼女がパンプスを履くのに不可欠な物で、フットカバーソックスと呼ばれるものでした。薄くて、ただ足にかぶさっているだけなので、履いていてもパンプスで隠れてしまいます。見た目には何も履いていないように見えて、ストッキングをはく手間を考えると、楽ちんでしかもおしゃれです。それにストッキングはすぐに伝線してしまうのが悩みでもあり、頭が痛いのです。

 フットカバーソックスは駅ビルとかにある雑貨店で見たことがありましたが、私には無縁の物でした。あれは子供の頃、寒い冬の日に足元が冷たいと靴下の上に履いていた靴下カバーに似ていると思いました。あの時の靴下カバーの薄いバージョンがフットカバーなのです。後輩の女性はいつもパンツスタイルなのですが、低めのパンプスを履いています。ストッキングは苦手なようで、素足にチャチャッと履けるフットカバーを愛用していました。それが、そのストックがもう残りわずかになったので困っていたのです。「フットカバーなんてどこにでも売ってるじゃない!?」と誰もが不思議に思いました。でも、彼女に言わせると、どれも履いてみなければわからないのだそうです。見た目はよさそうに見えても、試してみなければ履き心地は知る由もありません。

 履いてみて最初は良くても、歩いてみたらだんだんとずれてしまって、終いには脱げてしまったこともありました。脱げてしまわなくても、パンプスの中で靴下がズルズル滑るのが気になって仕方がないこともありました。そうやって様々なフットカバーを試してみた結果、ベストだと思うのが西友の靴下だったのです。一番足にフイットして、しかもずれない優れものだそうです。そう言われても、西友は会社の近くにはないし、もちろん彼女の家の近くにもありません。う~ん、彼女の願いを叶えるのは難しいのではと思ったら、ふと私の住んでいる地域にも西友があったことを思いだしました。歩いて30分余りの場所に西友はあるのですが、普段は用が無いのであまり行ったことはありませんでした。いつもの買い物は近場のスーパーで間に合ってしまうのです。

 でも彼女が困っているようなので、「私が買いに行って来てあげるよ」と言ってしまいました。その瞬間彼女の顔は喜びに輝いたのですが、実際売り場に行って見ると大変でした。フットカバーというのは様々なタイプがあって、私にはどれも同じように見えるのですが、少しずつ違うのです。深履きだの、浅めだとか、もう忘れてしまったのですが、彼女が渡してくれた靴下のラベルと同じ物を探しました。色や型番を確認して買ってきて、会社に持って行くと間違いないようでホッとした記憶があります。私に靴下5足を買ってきてと頼んだ彼女は今はもう会社にはいません。そう言えば、彼女は元々は音楽関係の仕事がしたかったはずなのです。休日はピアノの教師も家でやっていて、他の人とは違うのだというプライドも持っていたからです。170cmの長身でスレンダーな彼女が社内を堂々とパンプスで歩く姿はカッコよかったです。

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