人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ゲームは人生の役に立つ

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7年もの間ゲームに没頭?

 先日の朝日新聞に載っていた小幡和輝(おばたかずき)さんの記事を読んで、私の固定観念はガタガタと崩れてしまいました。まさに目から鱗が落ちる思いでした。なんと小学2年から中学校卒業まで学校へ行かずゲーム漬けの毎日を送っていたというのです。教育ママの知人が聞いたら間違いなく卒倒してしまいそうな話です。無理もありません、新聞もマスコミもよってたかってゲーム依存の恐ろしさを私たちに教えてくれるからです。人間性を失くして機械のような冷たい人間になり、親でも子でもなくなる悲劇が待っていると脅すからです。だから「このままでは我が子の将来がメチャクチャになってしまうのでは」と悲観してしまうのです。

 「ゲームに熱中するくらい、あのくらい勉強に熱中してくれたら、どんなにいいか」この切なる願いをどれだけ聞かされたことか。当時「ゲームは子供の脳には良くない」と固く信じていた私にはアドバイスはおろか何も言えませんでした。今思うと、何かに熱中できることは、たとえそれがゲームであっても素晴らしい能力だと言えるのです。熱中するのは楽しいことだからで、人間が求める究極の感情だと思うのです。楽しいことをしていれば、その時は人は幸せを感じて、やがて生きる希望が湧いてくるのです。

ゲームで救われた!?

 さて小幡さんの場合はというと、結果的にはゲームに救われたのだ。小学2年で不登校になったときは孤独だったが、ゲームに勝ち続けることで自信ができた!そしてゲームを通じて他人とつながることができた!集団生活が嫌で社会と距離を置いたのに、逆に仲間ができて精神的に安定を得られたのだ。その後小幡さんは定時制高校に進み、和歌山大学に入学した。決して勉強を諦めたわけではなく、というよりゲーム漬けだったからこそ、勉強が新鮮に感じられたのかもしれない。また、ゲームを通じての活動も続けていて、高校の時はイベント会社の運営に携わり、大学の時は「不登校は不幸じゃない」というイベントの発起人になった。

 ある不登校の子供のためのフリースクールを運営する代表の言葉が実に興味深い。親御さんが心配する勉強の遅れは実は一番取り戻しやすい、でも他では補えないものが遊び。大人から見れば無駄なこと、くだらないことに全力で打ち込む時間がすごく大事だとの鋭い指摘である。大人はとかくそれが子供の役に立つかそうでないかで物事を判断しがちだ。もういい加減その間違った見方を変えない限り、子供に生きる希望を与えることはできないのだと思う。

ゲームの家庭教師サービスを立ち上げた

 なぜ小幡さんが朝日新聞の今最も注目すべき人を取り上げる「ひと」欄に載ったのか、興味のある方は8月4日の朝刊を読めばわかります。小幡さんはゲームの大会で好成績を収めたゲーマーたちを講師役にサービスを立ち上げました。子供を中心にして約100人を指導し、ゲームは希望であり自信につながることを証明したいからです。自分がゲームに救われた経験から「意味のある時間を過ごせば後でその経験は生きてくるゲームは人生にの役に立つ」との信念からです。

 ゲームが子供に有益かそうでないかは別にして、この記事を読んでみてわかったことがあります。子供がしたいということを親が否定しない、子供の意欲の芽を摘まないことが何より子供のためになると気付かされたのです。特にコロナ禍の先の見えない時代だからこそ、将来の職業がプロゲーマーだって十分ありうるのです。子供の夢を全力で応援する、それがこれからの時代の親の役目ではないでしょうか。

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