人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

小学生の傘とお気入りの傘を諦めたわけ

今週のお題「傘」

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▲近所のお宅の玄関先にあったアジサイ。花びらの一つ一つがあまりに美しかったのでついパチリ。

子供の頃、親は学校に傘を持ってきた

 子供の頃の傘の思い出というと、急に雨が降るといつも親は慌てて学校に傘を届けにやって来た記憶があります。当時は現在のように天気予報があたらなかったし、子供は雨が降ったとしても親が傘を持ってきてくれると信じていたのです。また実際のところ急な雨の時は必ずと言っていいほど親たちは学校にやって来たのです。だから片道歩いて約30分の道を雨に濡れて帰った覚えはありません。田んぼや畑のある村で遠くに見える唯一のビルは鉄筋コンクリートの3階建ての小学校でした。そんなのどかな小学校の時の傘の色はたいてい黄色と決まっていて、たぶん一番目立つ色ということで黄色が選ばれたのでしょう。そういえばレインコートも黄色を着ていたような気がします。

 今の小学生はみんなそれぞれ好きな色の傘をさし、おしゃれな子は長靴とお揃いの傘で雨の日も楽しそうにしている。羨ましく思っていると、たまに雨が降りしきる中走って家路を急ぐ子供を見かけることがあります。傘をさしていないので服が濡れてしまうのが気にかかるのですが...。あんな小さな子が雨に濡れているのは切ないと思っていたら、そこに救世主が現れてホッとしました。母親が息を切らせながら傘を持ってやって来たのです。伏し目がちだった子供の顔は急に生き生きと輝やきました。

お気に入りの傘を諦めたわけ

 雨の日を楽しくするにはどうしたらいいかとよく考えた結果、友だちは傘やレインシューズを鮮やかなものにすることにしました。暗くて憂鬱な雨の日に気分転換するためにもお気に入りの傘を買いました。コンビニのビニール傘でもスーパーにある千円の傘でもない、デパートで買ったお気に入りの傘です。実をいうと、これまで何度もあちこちに傘を忘れているので傘は安いものに限ると思っていたのです。だからこそ値段も高くてお気に入りの傘を持てば、逆に忘れなくなるのではと考えたのです。ある雨の日当時通勤に利用していた地下鉄の車内に傘を忘れてしまったようです。ちょうどその日は朝から雨だったのですが、夕方には止んでいたのです。だから家に着いた時も傘を忘れたことに気づかずにいたのです。自分の手から離してどこかに置いてしまうのがいけないのです。傘のことなどすっかり忘れていましたが、夕食を食べているときにふと思い出してしまいました。すぐに駅に電話した時にはもう遠くの駅の遺失物センターに送られた後でした。正直言って「めんどくさい」という気持ちだったそうです。いつもなら「まあ、いいか」と諦めて取りになんて行きません。でも今回はお気に入りの傘が待っているのですから「行かなくちゃ」です。電車を乗り継いで取りに行ったらあまりの大量の傘に驚きました。車内での忘れ物の第一位は傘だそうです。

 あれ以来、友達はお気に入りの傘を持つのは諦めたそうです。自分にはどうしても無理だとしか思えないという。買い物に行って傘を置き忘れ、それもどこの店に置いてきたのかわからないのでまた戻ってようやく見つけたこともある。ある時はモールのトイレに置き忘れて、人が入っているのにノックをし続けて傘を返してもらったり。買ったばかりの傘をさしていたら、店先の看板の針金に引っ掛かり骨が曲がってしまって壊れてしまったりと相性が悪すぎるのだと。だから自分には電車に置き忘れても構わないくらいの傘がお似合いなのだと笑っていた。

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