人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

気になるピーマン

今週のお題「575」

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 つやつやの ピーマン眺め 買い物に

 家の近くに小学校があって、偶然覗いてみたら、校門の脇に植木鉢が一斉に並べられていました。よく見てみると、それはミニトマトとピーマンでした。二つの数は半々でどちらかに人気が偏ると言うこともないようでした。でもどう見ても、ミニトマトの方は背も小さくて弱弱しいのです。青くて小さな実が2,3個ついている鉢もあるのですが、最近では葉っぱが少し黄色になってきている鉢もあります。もしかしたら、このまま行ったら枯れてしまうのかもなどと余計な心配をしてしまいます。そんな元気のないミニトマトと比べて、勢いがあるのがピーマンの鉢です。どの鉢も立派なピーマンが1~2個は生っていて、スーパーで見かけるくらいの大きさです。中にはすでに大きくなりすぎているのもあって、私などは「早くちぎって食べなきゃ、このまま放っておいたら腐ってしまう!」とおせっかいを焼きたくなってしまいます。そして、自分で育てたピーマンをどうやって食べたら一番美味しいだろうかと、勝手に想像して、妄想にふけったりします。やはり、ピーマンの肉詰めがいいだろうか、いやいやシンプルにナスと炒めて味噌で味付けした方が美味しいはず、などと切りがありません。そこで、一句詠みます、つやつやの ピーマン眺め 買い物に

 考えてみると、「早く取って食べたほうがいい」などど決めつけるのは大人の判断でした。子供が大切に育てているピーマンをそんなに簡単にちぎるはずがないのです。ほんの豆粒ほどの緑の塊を見つけたときはワクワクし、次第に大きくなるのを見守ってきたのです。だから、スーパーで売られているものと比べると、だいぶ背が伸びてしまっても構わないのです。こうなったら、どこまで伸びるか楽しみにしているのかもしれません。このまま放っておいたら、精一杯大きくなるのは間違いありませんが、いつかは必ず色が変わって腐ってしまう、それがわかっていても見守りたいのです。私が子供の頃は朝顔が定番で、じょうろで水やりをしていました、でも今は植木鉢の下に受け皿が付いていて、ペットボトルが置けるようになっていて給水してくれるのです。

 今朝雷が鳴り、雨がザアザア降りしきる中、見つけたのは青い実がたわわに生っているミニトマトの木でした。それは道の曲がり角にあるお宅の軒先に置いてありました。以前道行く人が珍しそうに見ていたのは植木鉢ではなく、ビニールに土を詰めた中に何かわからない植木が入っているものでした。彼らが「そんな簡単でいいんですね」とそのお宅の人と話をしているのを見かけたのです。どうやらわざわざプランターを買わなくてもガーデニングはできるだとわかって目から鱗だったのかもしれません。でも私にはその木が何の木なのかまでは特に興味が湧かなくて忘れていたのですが、今日やっとそれがミニトマトの木だということに気づいたのです。学校のミニトマトの木が可哀そうなくらいなのに、こちらの木には勢いがあり生命力を感じました。たくさんの青い実のなかに色づいている物も何個かあるので、もうすぐ食べごろになるはずです。

 実は何年か前はこのお宅には老婦人がいて、クリーニングの取次店をしていたのです。声が大きく、元気でいつも笑顔を絶やさない人でした。店に来るお客さんは常連さんが多いので、当然おしゃべりに花が咲きます。その人は自分の家の空いている場所を使って商売をし、自分のペースで働いていました。私は理想的な働く高齢者だと思っていて、それがずうっと続くものと錯覚していたのです。ある日突然店の前に「本日休業」の紙が貼られました。それ以来その人の姿を見ることはありませんでした。その人の身に何かあったのには間違いありませんが、あまりにも突然の出来事に呆然としてしまいました。今でもクリーニングの店はそのままになっていて、当時の光景を思い出します。

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