人生は旅

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ハムスターの絵本

今週のお題「最近あったちょっといいこと」

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ハムスターのことを久々に思い出したら、懐かしくて

 最近新聞で「エグいほど泣ける」と話題になっている絵本があることを知りました。それは「ゾンビハムスターねずこ」(ワイヤーオレンジ、税込み1540円)ですでに7刷6万部も売れているのです。絵本の内容は「ねずこ」と名づけられてたハムスターがわずか2年で死んでしまうのですが、ゾンビとなって生きかえります。なぜならあまりにも「生きたい」という気持ちが強すぎてこの世に未練がありすぎるからでした。今までの子供向け絵本は現実をオブラートに包んで見えないようにしていましたが、この本は違います。ハムスターは傷だらけで継ぎ接ぎだらけで、血の付いた包帯までしていてリアル感があります。思えば、大ヒットした「鬼滅の刃」も生首から血がドバっと出たりして、普通なら子供は怖がるのはずなのに不思議です。刺激的な描写よりも主人公が一生懸命生きる姿に見とれているのかもしれません。

 この絵本の作者は徳島在住の原田たけしさんで、執筆のきっかけは子供の自殺が相次いでいることに心を痛めていたからでした。だから「しんどいけど必死に生きよう」というメッセージを伝えたかったのです。でもお説教じみたことは言いたくなかったので、面白そうと思って読んでくれる絵本を目指しました。その結果、子供たちに馴染みのあるゾンビというキャラクターになったのです。実を言うと、原田さんは最初いくら何でも子供には少し刺激的すぎると思っていました。でも結果的には「血をもっと減らそうかとか、顔の継ぎ接ぎをやめようかという話もあったが、妥協しなくてよかった」と手ごたえを感じています。

 この絵本についての記事を読んでいたら、久々にハムスターのことを思い出しました。もうずうっと昔のことなのですが、友だちの間でブームになっていて、見かけが小さくてかわいいので買うことにしたのです。ハムスターの種類も様々で、一番おとなしいのはゴールデンハムスターなのですが、身体が大きいのであまり可愛いと思えませんでした。それで比較的飼いやすいと言われるジャンガリアンハムスターにしました。この種類なら片手にすっぽりと収まるし、いかにも可愛いと思えたからでした。

 でも実際に飼ってみると、まさに「山椒は小粒でもぴりりと辛い」でこの小さな小動物は自分の存在を常に主張してくるのです。人間は小さくてかわいい物を見ると手に取って触りたくなるのが普通です。そんな思いに駆られて、ハムスターに触ろうとすると、掴む前に「チクリ」とした痛みに襲われます。「痛っ!」と反射的に手を放し、「やられた!」と思って一息つきます。ハムスターが思いっきり私の指を嚙んだのです。その行為はまるで「小さいからってバカにしないで。自由にできると思ったら大間違いだからね」と警告しているかのようでした。友だちによると、ハムスターのメスはオスに比べると特に気が強いそうで、気を付けるようにとアドバイスしてくれました。

 絵本の中のハムスターは寿命2年ですが、私のハムスターはわずか数カ月で死んでしまいました。最初はハムスターの頬袋に小さなできものができたので、動物病院に診てもらいに行きました。ハムスターは食べ物を頬袋にしまっておいて後で食べる習性があるのですが、食べ物のカスが溜まると炎症が起きて顔が腫れあがるのです。あれはとにかくデリケートな生き物で、いつも元気で可愛くいて欲しいのにそれがとても難しいのだとわかりました。何度か病院通いをしたのにも関わらず、ある日ゲージを覗いたらすでに冷たくなっていました。ハムスターの命は短くて儚い、そう実感して以来近づくのはやめにしたのです。本音はというと、「すぐに死んでしまうから、飼いたくない」し、切なくて虚しい思いは もう勘弁して欲しいのでした。

 

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