人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

樋口恵子さんの老後の現実

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住居費用がかかってびっくり!

 樋口恵子さんの著書「老~い、どん!」を読みました。この本の副題は”70~80代、あなたにも「ヨロヘロ期」がやってくる”と言うものです。タイトルからして、ユーモアのある体験と老いの指南書かと思いきや、切実な内容で正直驚かされました。まず、この本を読んで最初のページからもうびっくりです。それはお若い方は信じられないかもしれませんが、住宅費用がかかるということだそうです。人生が60や70ぐらいで終わる昔は家は一生に1回建てればよかった。でも、今は世間では勝手に人生100年時代だそうで、もう一度ぐらいは建てる必要があるという。なぜなら木造建築は30年くらいしか持たないから、100歳までは同じところには住めないのだと指摘しています。樋口さんは今87歳ですが、84歳の時に家を新築したそうでその時の体験を赤裸々に書いています。

悠々自適の生活のはずが...

 樋口さんはお若いころは大学教授と文筆業の二足の草鞋を履いて活躍されていました。だから自分でも老後は悠々自適な生活を思い描いていて、老人ホームに入れるぐらいの貯金は十分あったそうです。しかし新居を建築して虎の子の預貯金を使い果たしてしまい、たちまち金欠に陥ってしまったそうです。しかも体調は最悪で、まさにヨタヨタ、ヘロヘロで300メートルほどの距離が歩けないのです。膝が悪くて歩けなくて、新居を見に行くこともままなりません。日常の移動はすべてタクシーに頼っていて、それも金欠の原因になっていると言います。高齢者の方は見た目はお元気そうでも、よく聞いてみると足に悩みがある方が多いですよね。スタスタ歩いて何の問題もないように見えても、正座ができなかったりします。だから、飲食店での食事はお座敷でゆっくりという発想は捨てて、椅子席を選んだ方が喜ばれたりするのです。

 また樋口さんが一番問題視するのは、夫に先立たれた女性の金欠病がいかに多いかと言うことです。政府が人生100年時代というのなら、自己責任にはしないで欲しい。早急に社会問題として対策が必要なのではないかと訴えています。

料理定年とは何?

 年を取るとそんなにお腹が空かないので、適当なもので済ませてしまう高齢者の方が多いそうです。きちんとした食事をせず、パンと牛乳とヨーグルトぐらいで毎日を送っていたらどうなるのでしょう。樋口さんは「中立性?栄養失調」と診断されて金欠に加え、貧血になってしまったそうです。ご主人に先立たれて一人暮らしなのですが、最近料理をする気になれなくて面倒と感じるそうです。あんなに料理が好きだったのに、やろうとすると疲れてしまって苦痛でしかないのだと。そう感じるようになったのは”年をとった”ということで、まさにそれを”料理定年”と呼ぶのです。樋口さんの周りにいる80歳前後の方たちにも料理ができなくなる傾向があるそうです。だから現在では週2回ほどは宅配弁当をとって、貧血を治そうと頑張っています。専門家によると、高齢者はたんぱく質を若い頃の1.5倍は取る必要があるそうです。年をとるとたんぱく質が筋肉になりにくくなるので、意識して食べることが重要になります。

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