人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

高額な着物を買った若い頃の私

今週のお題「告白します」

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 店員の男性に恋していたらしい

 若い頃の私は今の自分からは想像もつかないような、愚かなことをしていたようなのです。すぐに思いだすのは、高額な着物を後先考えずに買ってしまったことです。いくら何でも、明らかに着る機会が滅多にない着物のローンを契約してしまうなんて、とても考えられません。友達に、「どうかしてるよ。馬鹿じゃない!」と言われた覚えがあります。でもその時は着物が好きで本当に欲しかったのです。それにもう一つ理由がありました。それは、どうも私は呉服店の若い男性の店員さんが好きだったようなのです。「好きだった」と言っても、熱い思いではなくて、友達のように話しかけられて楽しかったのです。つまり、あちらはもちろん仕事なのですが、こちらはまるで親しい友達のように錯覚していただけのことなのです。彼と一緒に居たければ、その店のお客でいなければなりません。当然着物を買わなければならないのです。

 あの日、デパートに行って、偶然通りかかった呉服店で、美しい着物が飾ってあるショーウインドウを見ていました。そしたら3人の店員さんに声をかけられました。その3人のうちのひとりは感じの良い男性でした。みんな若くてちょうど自分と同じような年齢でした。だからか、最初から話が弾んで、まるで友だちといるみたいで楽しかったのです。それで、何回か通ううちに「ここなら着物を買ってもいいかなあ」と思うようになりました。勧められるままに買っていたら、金額が予想以上に高額になってしまいました。その時は分割なら自分で何とか払えるはずでした。でも結局は親に50万円ほど出して貰うことになりました。最後にローンの解約の手続きをするために店に行ったとき、店員さんはいつもの彼らではありませんでした。でもあの時の私は後ろめたい気持ちはあったものの、幸運にも失恋の痛みは全くありませんでした。

着物がなぜあんなにも好きだったのか

 それにしても、なぜあんなに着物が好きだったのか。考えてみると、高校の時ベルギーのペンフレンドに兄の結婚式の写真を送ったことがありました。緑の生地に赤が生ええる金糸の模様が美しい衣装に身を包んだ花嫁姿の義姉の写真、それと姉のお古の着物を来た私の写真の2枚でした。その写真がとても気に入ったらしく、相手はいろいろと着物のことを尋ねて来るのです。それで『美しい着物』等の雑誌を買って送るようになったのが、着物に興味を持つきっかけでした。それに当時は琴を習っていたので、自分の着物を来て発表会に出たいと本気で思っていたようなのです。今の私なら、そんなのレンタルで十分だと判断し、買おうなどとは露ほども思わないのですが。当時の自分の失敗は今にして思うと若気の至りです。後悔の念など微塵もなく、もう笑い話でしかないのです。

 着物が大好きだった私は、親しい友達にも展示会を見に来るように誘いました。彼女はいろいろと見て気に入っていた様子だったのに、何も買わないので不思議でした。「どうして買わないの?」と尋ねると、見るだけで満足したと言うのです。欲しいけどお金がないから買わない。当たり前です。欲しいものを手に入れるにはお金がかかる、でも無理をしたら自分が後で困るのです。今手元にお金がない人でも、即座に欲望を満たすことができるのがクレジット払いです。熱くなっていた私と違って、彼女は実に冷静な判断をしたのです。

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