人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

紅葉を探して

今週のお題「赤いもの」

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▲これは昨日の朝日新聞の朝刊に載っていた写真。京都市内と市北部の山間を結ぶ叡山電鉄の「もみじのトンネルライトアップ」が11月28日まで開催される。

こんな時期だから、小さい秋見つけて楽しもう

 昨日朝刊を開いたら、なんと冒頭の写真が目に飛び込んできました。電車に乗って、280本ものもみじの木の間を通り向けるなんて、しかも紅葉真っ盛りの雰囲気を味わえるなんて、またとない機会ではありませんか。勝手にひとりで盛り上がった私は、「早速行かなきゃあ!」となり、すぐさまパソコンを開いて「京都、叡山電鉄」と打って検索を始めようとしました。私の頭の中には紅葉と言ったら京都なら嵐山としかデータが入っていないのです。ところが、そこへもうひとりの自分が顔を出して、「今はやめたほうがいいんじゃない。コロナ感染者が少なくなったとはいえ、まだ完全には終息していないのだから」と盛り上がりに水を差しました。

 その声で目を覚まし、冷静になって考えてみると、行きたいのはやまやまなのですが、きっとおっかなびっくりになるに違いありません。果たしてそんな複雑な思いで行って本当に楽しいのだろうかと自分に問うてみました。答えは明らかでした。まず、第一に肝心の身体がブレーキが掛かったように動かないのですから、今はやめておくことにしました。もみじの大群は逃げることなくそこにあるのですから、気持ちが晴れ晴れした時に行けばいいのです。でも検索だけはして、聞いたこともない場所がどんなところか調べることにしました。

 叡山電鉄のサイトではごく最近撮られた動画を見ることができました。電車がもみじのトンネルを走り抜ける様子を見ていたら、まるで自分が現地に居るかのような気分になってしまいました。この動画では、幾分かまだもみじの色は黄色が大半で、燃えるような赤というか、絵の具をダラッと垂らしたような魅力的な色には程遠いようでした。だから、もう少し気温が下がったら、理想的な色に変貌を遂げると思うのです。電車の周りが緋色に染まって、その中に自分が溶け込んでいく、そんな光景を想像してみたらもうゾクゾクしてきませんか。

 それから、全然知らなかったのですが、このもみじのトンネル一帯は昨年7月の豪雨による土砂崩れで不通になっていたそうです。復旧したのは今年9月18日とのことなので、幸運にも紅葉の季節に間に合ったわけです。だからこそ地元では大勢の観光客に来て欲しいのですが、今は微妙な時期なので何とも残念でなりません。

 紅葉を探しに遠くへ行けない場合は、これはもう近場で探すしかありません。でも家の近所やいつもの散歩の途中には見当たりません。なんて思っていたら、昨日は薄明かりの中でそこだけ燃えている緋色の植物を発見しました。散歩コースには都心に行くバス停があって、真ん前にはファミリーマートがあります。その横のこじんまりしたお宅の庭先のプランターにそれはありました。燃えているような、複雑なグラデーションで不思議な雰囲気を漂わせているのは、たぶんコキアだと思います。以前新聞に写真が載っていて、「ものすごく綺麗だけど、これは何?」と衝撃を受けました。地平線が見えるかのような広い大地にコキアの大群が出現したのです。その色は紫なのか、赤なのか、紅色なのか、とにかく一言ではいい表わせないような複雑な色なのですが、その一帯が燃えているのだけは確かなのです。コキアは箒草の一種だそうで、自然がつくりだすものは人間の想像を遥かに超えています。

 実は今朝もそれまで素通りしていた中華料理店の店先で、”小さい秋”を見つけました。それは真っ赤に色づいているもみじの木で、「秋はちゃんとここに来ていますよ」と教えてくれているようでした。その隣には緑のままのもみじの木もあったので、余計に2つのもみじのコントラストが新鮮に感じられました。

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