人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

「としょかんライオン」から学ぶ壁の壊し方

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この本で子供が図書館のルールを学べる?

 気分転換に隣町の大型書店に行ったら、気になる絵本があったので検索機でしらべてみました。それは米国の有名な絵本作家のロバート・マックロスキーの「すばらしいとき」という本でした。在庫があると言うことで棚の番号を印刷して、捜してみたのですが見つかりませんでした。でも、その代わりおもしろそうな絵本「としょかんライオン」を見つけました。文字通り図書館にいるライオンが巻き起こす騒動をユーモラスに描いているのです。本の帯には、「この本で子供は図書館のルールを学べるのでは」などと書いてあります。でも教育目的でこの本を子供に読んであげるのは少しもったいない気がします。役に立つから読んであげるという発想自体が愚かな考えだからです。大人の企みなど無視して子供目線で楽しんで欲しい本です。そもそも、図書館とライオンが結びつきません。ライオンは図書館にいるべきではないからです。大抵はアフリカのサバンナか、人間に無理やり連れて来られて動物園で退屈しているかのどちらかです。子供ならこの不自然な、違和感のある背景に文句を言うこともなく入り込めるはずです。子供の頭はスポンジのように柔軟で、どん欲にいろんなことを吸収してしまうでしょう。だから子供しか思いつかない発想を前にすると、大人は脱帽するのみなのです。

ライオンはなぜか図書館が好き

 物語はある日突然ライオンが図書館にやってくるところから始まります。図書館員が慌てふためき、「大変です、ライオンが来ているんです!」と館長に伝えに来る。ところが館長は落ち着き払って、「ライオンが何かしたの?何か騒動でも起こしたの?」と逆に質問。何の問題も起こさず、おとなしくしているとわかると「ライオンが来てはいけないルールはないから」と意に介さない。ライオンは百獣の王で怖い動物と世間では言われているらしいが、この本のライオンは子供が大好き。ついつい気持ちよくなって、気が付いたら絨毯の上でうたた寝してしまうほど図書館が好きらしい。何か役に立ちたいと、ふさふさの尻尾で本のほこりを払ったりしてお手伝いをするようになる。子供たちが高い所にある本を取るときは、自分の身体を脚立代わりに使わせてあげた。ライオンは自分が図書館と子供たちの役に立てることが嬉しくて毎日のように通ってきた。

本当に大事な時はルールは例外

 図書館には、誰もが「館内で大声を出してはいけない。走ってはいけない」というルールがあることは知っています。ライオンもちゃんとわかっていたのですが、ある日予期せぬ事件が起こってしまいます。館長が棚の高い所から本を取ろうとして、よろけて転んでしまったのです。ライオンは一刻も早くみんなに知らせようと「ワオワオワオ~ン」と大声で叫んでしまったのです。言葉を話せないライオンにとって伝える手段は吠えることだけなのですから、彼の身になれば当然のことです。人が来るのを待ちきれず、図書館員に知らせようと館内を全力疾走してしまいました。ライオンは2つのルールを破ってしまったわけですが、館長は本当に必要な時はルールを守らなくていいのだと諭すのです。ルールに縛られて、動けなくなるのは本末転倒だと言いたいようです。子供たちはこの館長の言葉をどう感じたのでしょうか。実際に読んであげた後にどう思ったのか聞いたみたい気がします。

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