人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ねこのおるすばんと駆け巡る妄想

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ねこが留守番ですることは

 町の本屋さんに行ったら、絵本コーナーに「ねこのおするばん」という面白そうな題名の本がありました。表紙にある茶色のお茶目そうなねこの絵が私をじっと見つめています。帯には「ネコがおとなしく留守番していると思うなよ」と書かれていました。そうなるとどうしても中身を見たくなってしまうのですが、残念なことにビニールが掛かっています。普通は1冊ぐらいは見本があって、手に取って試しに読むことができるはずなのですが。よく見てみると、絵本はすべてビニール掛けがしてあり、購入しなければ読めないようになっているのです。確か以前は絵本は読めるようになっていたのですが、コロナ禍での感染予防対策なのでしょうか。それとも売り上げのことを考えてのことなのか、とにかく、ひとまず好奇心を抑え込んでその場を立ち去るしかありません。

 考えてみれば、コロナ禍で子供の本が良く売れたそうですが、計算ドリルや図鑑などのすぐに役立つようなものばかりです。親が子供のために買いたい本は勉強関係のもので、絵本や児童書ではないことがわかってがっかりしました。

ねこも人間と同じ行動をする?

 ある日久しぶりに都心にある大型書店に行った時のことです。絵本のある階で「梨の妖精パッピーナ」を読んで楽しんだ後、別の棚に行きました。そこに「ねこのおるすばん」の絵本をみつけて、帯をよく見たら、「ねこがおとなしく留守番してると思ったら・・・」と書いてありました。「思うなよ」じゃなかったのです、私のまったくの勘違いでした。でも幸運なことにビニールの掛かっていない見本があったので、興奮して一気に読みました。

 その内容は、作者の妄想が縦横無尽にはじけて、頭の中を駆け巡り、ねこも退屈ばかりはしていられないのだと教えてくれます。絵もユーモラスで実に楽しいお話です。ねこは人間が出かけた後まず何をするか、どう過ごすのか興味がありますよね。この猫は外に出かけて?全く人間と同じようなことをするので、思わず笑ってしまいます。でもどうやって外に行くのか、気になりますが、心配いりません。ちゃんと洋服ダンスの中に街に続く抜け穴があるのですから。

ねこは本も映画も大好き?

 そして、密かに街路樹にある穴から抜け出したねこは本屋にふらりと立ち寄るのです。どうやら本が大好きらしい、ここで「ええ~?ねこが本好きだなんて聞いたことがないよ」と不思議に思います。ページを捲ったら、ねこが本の角にスリスリしていかにも幸せそうな絵が現れて、なるほど「ねこは本好きなのは正しい」と納得です。このねこは釣り堀に行って自分の好きな魚を調達しようとし、無理だとわかると回転ずしで「まあ、いいか」と満足するのです。バッティングセンターに行って気分転換しようとし、映画館では目をランランと輝かせ、恍惚の表情で夢のような世界を彷徨います。当然です、ネコはめったに旅行に出かける機会はありませんし、ましてや恋愛現場を目撃するなんてこともありませんから。

 一通りのことをやり終えたねこは「そろそろ家に帰るか」と街路樹の穴の中に消えました。さて、飼い主の人間が家に帰ってみると、玄関にはねこがちゃんとお出迎えです。人間が帰って来るのに合わせて自分も家に戻るのがねこの仁義だとでも言いたそうです。それに秘密も守らなくてはいけないのでから。今まで何をして楽しんでいたか人間が知ったら、きっとびっくり仰天するでしょう。それを思ったらねこは内心ニヤニヤして笑いをこらえているのかも、などと想像するの絵本の楽しみです。

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