人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

マイナポイントで贅沢を

 

ポイントでたまに贅沢、されどトホホな結果に
 前回、マイナポイントをコジカカードで受け取り、スーパーでいつもとはワンランク上の商品を買ったことを書いた。普段は手が出ない牛乳やスモークサーモン、高級梨などを試してみた。家に帰り、早速試してみる。まずは種子島牛乳を味見するのだが、あれ~?乳脂肪無調整でほんのりした優しい味だが、「私は牛乳です」というインパクトがない。サラッとした風味が、逆に物足りなく感じて、もう少し”濃く”が欲しいと言うのが偽らざる感想だ。これなら、いつもの298円の根釧牛乳の方が美味しいじゃないと言うのが本音だった。考えてみると、いつもの牛乳がすっかり自分の口に馴染んでいるせいで、他のは受け付けなくなっているのか。でも、それは思い違いなのかもしれない。

 本来は未知の物を試し、今まで知らなかった味に出会って、美味しいと感動することを人は心ひそかに願っているものだ。その点において、この牛乳は”買って失敗”というべきもので、「なんだ、高いからと言って、美味しいわけじゃないのね」という意見で着地したのだ。こちらの道理では「高いのだから美味しくなくては困る」のだが、どうやらそういうことでもないらしい。人には好みというものがあって、きっと私ではない誰かはこの牛乳を美味しいと感じているのだろう。だから、自分が美味しいと感じなくても、声高に文句を言うわけにもいかない。私にできるのは沈黙したまま、次回からは二度とそれを買わないようにすることだ。だいたいが、カラスの勝手なのだから、何の問題もない。ただ、どんな味なのだろう?と想像するだけだった高級牛乳を味見する機会を得たことは貴重な体験だった。

 スモークサーモンにしても、見るからに普段買うものよりは美味しそうだったが、封を開けて食べてみると、「うう~ん?大したことないなあ」と言うのが正直な感想だった。やはりこちらも欲を言うなら、「もっと美味しくあるべきなのだ」が、どうしても「さすがに高いだけあって、美味しいなあ」があふれ出て来ない。それどころか、大変失礼な話だが、以前正月用に買った別のスーパーに売っていた”あれ”の方が何倍も美味しいなあと思いだす始末。そこで、もう勝敗は決まったようなものだ。こちらのスモークサーモンも野球で言うなら、ドラフト外だ。またもや、洞察力の欠如、想像力の無さが災いしてか、ウキウキ、ワクワクの気分に水を差す。

 最後は高級梨で、その梨の名前は”にっこり梨”で、その時は3個しか残っていなかったので、間違いないと確信した。こんなに売れているのだから美味しいに決まっていると勘違いした。つまり、あとの梨はすべて2個セットで売られていたので、値段も手ごろで買いやすいだけだったのだ。一口噛んだら、さぞかし果汁が口に中に溢れるのだろう、そんな場面を夢見ていた。だが、実際は、一口噛んでみたら、果肉が硬くてゴリゴリ、ジューシーさなどあるわけもない。そう言えば、梨を二つに切ったときに、果肉にいつも出会うあの透明感がなかったので変だと思った。梨の芯を中心にして甘い蜜が広がっているはずなのに何も無かった。思えば、その時嫌な予感がしたのだが、すぐにそれを打ち消した、まさかそんなはずはないと。でも、やはり予感は的中して、せっかく買った梨を我慢して食べることになった。美味しくないからと言って、捨ててしまうのは、SDGSの時代にどうかだなんて、柄にもなく考えている。

 こんなことを書くと、贅沢をしようとした買い物が全て失敗に終わったと誤解されるかも知れない。でも、幸運なことに一つだけ収穫はあって、普段は見たこともないし、買ったこともないお惣菜が美味しかったのだ。それは「グリルドチキンロール」で中にインゲンやニンジンなどの野菜とチーズを入れて、とり肉で巻いて焼いた料理だ。切り分けたものが4つ入っているパックが680円と高めだが、これも残りひとつだった。こんなに売れているのだから、どう見ても美味しくないはずがない。肉にかかったたれが美味しそうに光って、こちらを誘惑するので、躊躇することなくカゴに入れる。家に帰って食卓に出す前に、台所で味見をすると、ほらみてごらん、予想通りだった。

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