人生は旅

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せいせいするほど愛してる

今週のお題「一気読みした漫画」

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 仕事に全身全霊で取り組む若い女性の姿が魅力的で

 私が一気読みした漫画は北川みゆきさんの「せいせいするほど愛してる」です。まずタイトルの「せいせい」は物凄くと言い換えられます。中途半端でない、ウジウジしない潔い恋愛の話だと勝手にイメージを頭の中に描きました。刺激的な話をついつい想像してしまうタイトルにも惹かれたのですが、なんと言ってもテレビドラマがきっかけになりました。ドラマは宝石店のティファニーを舞台に展開し、武井咲さんと滝沢秀明さんが主役を演じていました。。その第一話を見たとき、これからどうなるのか面白そうと思ったら、原作がどうしようもなく読みたくなりました。早速近所の本屋に行って漫画を捜し始めたのですが、みつかりません。普通はテレビでやっているのですから、素早く反応して、客にわかるようにしておくのが常識だとばかり思っていたのに当てが外れました。次に行った中規模書店でもコミックコーナーにはなく、最後に行った書店でやっと見つけました。そこの書店では「ただ今放送中の注目ドラマの原作」と宣伝していたのですぐにわかりました。嬉しいことに全巻揃っていたので、どうせならとすべて買いました。

 原作では物語のヒロイン未亜(みあ)は化粧品会社の営業社員です。それも周りが呆れるほど熱心に仕事に取り組んでいます。漫画の最初のページを捲ったら、「あんな男だと思わなかった。結婚したら仕事辞めろだなんて、馬鹿にしてるよね」未亜が友達に電話で怒りまくっている場面でした。未亜は付き合っている男性からプロポーズされたのですが、喜ぶどころか冗談じゃないと憤慨しているのです。相手の男性に仕事を辞めて、自分の故郷に来てほしいなどと簡単に言われたからでした。自分が仕事に対してどんな思いを抱いているか、どれほど大切に思っているか、これっぽっちもわかろうとしない自分勝手な男に失望したのです。あんなにも相手に熱をあげていたはずなのに、千年の思いが一瞬にして覚めてしまいました。未亜に迷いはありませんでした、すぐに別れることに決めました。普通の女性なら、指輪を前にしてプロポーズされたら、泣いて喜ぶのに彼女は違いました。その点に置いて、未亜は「せいせいする」人なのでした。もう最初から未亜、この物語のヒロインはどこにでもいる若い女性ではないことがわかりました。

 未亜は顧客向けのパンフレットが出来上がったので、何気なく見ていました。するとモデルの口紅の色がくすんでいて、商品の良さが微塵も感じられないことに気が付きました。こんな写真では顧客の心をつかむことは到底できないと思いました。そして思うだけでなく、すぐに行動に移してしまうのです。印刷所に直行し、工場長に直談判してやり直しを要求しました。「この写真をよく見てください。こんなんで女が買いたいと思います?」凄い剣幕で相手を睨みつけるものですから、その迫力に圧倒されて工場長も反論できません。「女の心を動かすようでないとだめなんですよ」印刷の技術を最大限に利用して、つやのある魅力的な唇、女なら誰でも憧れるような唇にしなければならないのです。女性の心に火をつけて、どうしても買いたいと思わせるような写真でなければ意味がない、それが美亜の譲れないポリシーでした。だから、納得がいくまで帰らないで、朝までじっと待っています。そんな美亜の姿を陰から見つめている一人の男性がいました。ライバル会社の営業マンの宮沢でした。彼はそれをきっかけに彼女に好意を抱き、いつの間にか三角関係になってしまうのですが。

 漫画は過激な恋愛描写が当時話題になったそうですが、私にとってはあくまでもお仕事小説です。見たことがない化粧品業界の内幕が垣間見れて、ヒロインの奮闘に感心したり、思わず応援したくなりました。未亜が大阪に出張に行く場面があるのですが、普通なら仕事の後に支社の人たちと飲みに行くものです。でも彼女は「これから店舗を回りたいので」と誘いを断ります。そこで「ずいぶん仕事熱心なんだね」と揶揄されるのですが、全く気にしません。この漫画を読んで、未亜は仕事に「せいせい」している人なのですが、自分の恋愛に対してもぶれずにいるのだと実感しました。

mikonacolon