人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ミニトマトの収穫祭

 

今週のお題「最近あった3つのいいこと」

最近あった3つのいいこと

 一つ目は、久しぶりに小学校の中を見学して楽しかったこと。昨日は参議院選挙の投票日だったので、見知らぬおばさんが校庭に足を踏み入れても何も言われない日だった。この時とばかりに、私は投票の前に堂々と道草をした。校門を入って、校舎の横を通り過ぎないと、投票場所である体育館に行きつかない、それを良いことにゆっくりと回りを観察して、ワンダーランドであるかの如く眺めまわした。以前から気になっていたのは、子供たちが育てている植物、いや、野菜が何かってことだった。外から見える、一斉にならべてある植木鉢の野菜が何であるかが、遠目ではわからなかった。まさか、どうしても知りたいからと侵入するわけにもいかない。それに最近は防犯カメラも付いているし、あとから何かと面倒だ。

 校門を入ると、真っ先に植木鉢の方へと向かった。最初に目に入ったのは枝豆で、葉っぱの影から2~3個の豆が生っているのが見える。まあまあ、こんな物でしょうという感じだ。隣にはなすとピーマンもあったので、私たちの頃にはピーマンが苦手の子が多かったが、今はそうでもないらしい。子供はピーマンが嫌いだなんて、もはや過去の話なのかもしれないと感慨に浸る。枝豆とナスとピーマンの三択なのだなあ、それにしても枝豆は大人の食べ物、つまりビールのお供みたいにしか思っていなかった。考えてみたら、あれは子供でも手軽に食べられて、おやつにもなる。ただ、問題はその量で、楽しむためにはもっと枝豆に頑張ってもらう必要がある。

 そんなことを思いながら、反対側の植木鉢の方に行ってみたら仰天した。そこにあったのはミニトマトの大群でどの鉢もミニトマトの収穫祭並みの盛り上がりを見せていた。以前にも子供が育てているミニトマトの鉢を見たことがあるが、まあそれなりにこじんまりしていた。だが、そこにあったのは信じられないような、元気で勢いのあるミニトマトだった。枝が折れるのではないかと心配になるほどゾロゾロと青い実が生っていた。鉢にはちゃんと枠が取り付けられているので、ミニトマトのタワーは上へ上へとすくすく育っている。これらのミニトマトの快進撃に育ての親は笑いが止まらないだろう。赤の他人の私が見ても、感激せずにはいられないのだから当人はどんな気持ちかは想像するに難くない。まさに売るほどあるとはこのことだ。

 それから、私は植木鉢と書いたが、よく見ると、それは牛乳パックで作ってあった。○○牛乳と印刷された牛乳パックを2つ使って子供が手作りしたものらしく、今流行りのSDGsなのかと勝手に思った。私が小学生だった頃は育てるのは朝顔と決まっていて、その成長記録を書くのが夏休みの宿題だった。今は各自自分の好きな野菜を選んで育てる時代で、すこし羨ましく感じた。長い寄り道のあとで、本来の目的の投票所に行ったが、そこの手前にある木陰でまた道草をした。涼しい天然のクーラーの中にある水槽で金魚を飼っていた。

 二つ目のいいことはその金魚に関して、誤解が溶けたこと。お祭りや縁日で金魚すくいをした時に、うまく掬えなくて落ち込んでいると、残念賞とばかりに店のおじさんがくれる金魚のことだ。「すぐ死んじゃうから、絶対貰ってきてはダメ」と母から言われているのにも関わらず、断れないのだ。ところが最近、新聞の記事で金魚はそんなに弱い魚ではないことを知った。「長く生きるかすぐ死んでしまうかは扱い方次第」で、「一番大切なのは水」で汲み置き水を用意して水をキレイにし、一週間に一回程度水を換えるのがポイントだ。それとエサをやりすぎて、水を汚さないようにすることも大事だ。考えてみると、やたらエサをやりすぎて、水が濁ってしまうことが多かった。それに風水では金魚は幸運を招き入れてくれるとも言われている。

 最後の三つめは読みたいと思っていた本を見つけたこと。その本は新聞の新刊の広告で見かけた芥川賞候補になった高瀬隼子さんの『美味しいごはんが食べられますように』だった。すぐに近所の本屋に探しに行ったが見つからない、やはりここは使えない本屋だと諦めた。その次は歩いて30分の中規模書店だが、本がたくさん置いてあって、検索機があるわりには品揃えが悪すぎる。こうなると、見つからない本への思いは勝手に膨らむばかりで、仕方がないので都心の大型書店へと足を向けた。すると、嘘のように簡単に見つかって、ペラペラとページを捲って読み始めた。本に付いている帯のコピーは「胸のざわつきが止まらない」だが、少し読んで見た限りでは食べ物に関する記述が多いようだ。同じ職場に勤める3人にはそれぞれこだわりの食べ物があるようで、この先の展開に何らかの影響を与えるのでは・・・」と言うあたりで、私の手はピタリと止まってしまった。その理由は簡単で、あまり楽しいと思えないからだった。

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