人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

モスクワの駅ビルでTシャツを買ったら

今週のお題「お気に入りのTシャツ」

f:id:mikonacolon:20200806215456j:plain

▲モスクワのショッピングセンターで買ったTシャツ。もう遠い昔のことなのに、これを買った時のことは今でも思いだせる。店員さんたちとのやり取りが懐かしい。

お土産を買いに駅ビルへ

 日本でも大きな駅には駅ビルというものがあって、食事も買い物もセットでできてしまうので旅行者にとっては大変便利です。この時もTシャツを買おうとしていましたが、土産物屋には行きませんでした。いかにも「ロシアに行ってきました」みたいなその手のものは敬遠されそうだし、あげたとしても着てもらえないことは想像できます。例えば、あの有名なプーチン大統領がサングラスをかけて革ジャンを着ているTシャツ、それは確かにロシアならではのレアものですが、あまり喜ばれないような気がするのです。

 それで、スタバもユニクロZARAも入っていて便利なアトリウムというショッピングセンターに行きました。モスクワの地下鉄5号線に乗り、クールスカヤ駅に着きます。ちなみに5号線は東京の山手線と同様に環状線なのです。駅から出ると、目の前に大きなビルと看板が見えたので、すぐ側にあった階段をワクワクしながら上っていきます。しかし、驚いたことに土曜日なのに人がいない、観光地のような人込みを想像していたのに閑散としていたのです。ぶらぶらと歩いていたら、ある一軒のお店を見つけました。お土産にピッタリのTシャツがずらりと並び、種類も豊富で男女の別なく着られそうです。Tシャツに惹きつけられるように店の中に入って行きました。

店員の言葉に思わず値札を見直す

 店に入ってTシャツ選びに没頭していると、店員さんが近づいてきて「お手伝いしましょうか」と親切に言ってくれます。かごを持ってきてくれて、私が手に持っているTシャツを入れてくれました。その時辺りを見回してみたら、店にいるお客さんはなんと私ひとりだったんです!店員さんも退屈していたのですね、どうりで私にサービスしてくれるわけです。お土産用と自分用とで10枚ほど選び、支払いをしようとカウンターに持って行きました。そしたら、レジにいた店員さんと3人で会話が弾んでしまい、「どこから来たのですか?」などといろいろ聞かれました。思いがけない機会に恵まれて最初はロシア語で話していたのですが、すぐについて行けなくなったので英語に切り替えました。二人ともまだ若くてとてもフレンドリーな人たちでした。

 ところが、支払いの場面になると、「本当にこれも、これも、お買い上げですか?」と品物を指さして真顔で聞いてくるので戸惑ってしまいました。まるでこんなにもたくさん買うのかと言わんばかりなのです!彼女たちは決してからかっているのではないようです。それで私は思わず値札を確認したくなってしまいました。この時の買い物はどう見ても日本円で2~3万程度で大した額ではありませんでした。今思うと金銭感覚が日本人と明らかに違うのです。たぶんかれらの給料は驚くほど安いのだと想像できますが、あくまでこれまでの私の経験からの推測です。例えば、ホテルで10日間の宿泊代をまとめてカードで払おうとしたら、「額が大きいので分割にしますか」と言われて面食らってしまった。あるいは、日本の新聞に「ロシアのエルミタージュ美術館の職員による倉庫の美術品の盗難が頻発している」との記事が載っていた。なんと「給料が安いのでやむを得ない行為だ」などと書かれていた。一見誤解されてしまいそうなことばかりですが、本当のことはわかりません。いずれにしても、私にとってTシャツの出来事はもう遠い記憶ではあっても忘れられない出来事なのです。

f:id:mikonacolon:20200806221026j:plain

▲去年11月に行った時の駅ビル近くのイルミネーション。クリスマスだけあって夥しい数の電飾が惜しげもなく使われている。遊歩道の両側に電飾が設置されているので、人々はここを通るたびにイルミネーションのシャワーを浴びる。写真ではその美しさを表現できなくて残念!

 

mikonacolon