人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

一番美味しかった鍋の思い出

今週のお題「鍋」

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子供の頃の光景が蘇って

 「鍋」で思い出すのは、子供の頃の親戚が集まったときの光景です。うちの父は長男でもないのに家を継いでいて、何かにつけ兄弟が集まって賑やかでした。冬になると、決まって鍋を囲み、その鍋も子供心に豪華なものでした。仕出し屋から取り寄せたスープとエビ、カニ、貝類、魚類などの新鮮な具材が入っているので、とても美味しかった記憶があります。テーブルにド~ンと置かれた、うずたかく盛られた鍋の具材を見てびっくりし、早く食べたくて待ち遠しかったあの頃。

 一口食べてみて「なんてこの魚は美味しいのだろう」と感じた魚は、果たして何だったのか、もしかしたらあれは鱈だったのか。エビも食べたのかもしれないが、ではいつからエビアレルギーになったのか。カニも美味しいはずなのに今はあまり食べたいと思わないのはなぜかなどと疑問が次から次へと湧いてきました。やはりだし汁だけではダメで、海鮮の旨味がプラスされないと美味しくないのだと知ったのは大人になってからです。溢れんばかりの山盛の具材の上に、串に刺さった銀杏が飾りで置かれていたのを今でも覚えているとは!「さぞかし高いのだろうなあ」と思いながらも、一時のごちそうに心を奪われていたのです。今にして思えば、父は兄弟たちのために奮発したのです。みんなが集まったときの父は終始上機嫌で、普段から叔父や叔母の悪口を言うのを聞いたことがありません。

みんな上機嫌で鍋を囲んで

 父は子供の私から見ても親孝行で兄弟想いの人でした。当時、大人たちは鍋を囲み、おしゃべりしながらお酒を飲んで、楽しくやっていました。美味しい鍋という最高の酒の肴があるからこそですが、みんな本当に仲が良かったのです。酒に酔った拍子に愚痴が出て、その場の雰囲気を壊す人などいませんでした。だからお酒というのは人を楽しい気持ちにさせてくれるものだとばかり思っていたのです。父の一番下の兄弟の叔父は酒があまり強くはないらしく、顔が赤くなったと思ったら寝てしまいました。「あんなにすぐに寝ちゃうんだ、お酒って!」としか思いませんでした。そんな無害な人たちばかりではないことを知ったのは大人になってからです。

 鍋が冬の団らんに欠かせないものだった頃が懐かしいです。今はもう父もその兄弟たちも亡くなってこの世にはいないのでなおさらです。正直言って、普段は冬に家で鍋を囲む習慣はないのですが、外食ではよく食べていました。以前はファミレスでひとり鍋というのが流行っていて、友だちと別の味を食べ比べして楽しんだものです。もう忘れてしまったのですが、確かコラーゲン鍋とか言うものあって女性に人気がありました。でもまた食べたいと足を運んだら、すでにそのメニューは無くなっていたのです。

 コロナ禍でファミレスもだんだんと店が無くなってきているようです。たとえ店がやっていたとしても人々が利用するかどうかはわかりません。冬なのに換気が必要で、寒いのを我慢しなければならないなんて!まさに非常事態と言うしかありません。

mikonacolon