人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

笑顔になれる中国語講座

沈んでいた心に、小さな花が咲くように

 4月から講師とゲストが一新して、NHKラジオの中国語講座がより楽しい番組になった。前年の丸尾先生の時はセイラさんと劉くんというパートナーのふたりと堅物の先生とが馴染むのに時間がかかった。それでも最後には丸尾先生が「二人と知り合えてとても貴重な経験をしました」と感謝の言葉を述べていた。でも、今年は少し様子が違う。それは後任の小金井先生がパートナーのふたり、ユン君とセイラさん(セイラさんだけは残留)の”現代っ子”パワーに負けることなく奮闘していることだ。テキストの写真からしか覗うことはできないが、二人と比べると人生経験が豊富なのは明らかだ。それで感覚のギャップもあって、どうなるかと思っていたら、意外にもうまく溶けこみ、最初から3人で和気あいあいの雰囲気だ。

 丸尾先生の時は若い二人の自由で歯に衣着せぬ発言に圧倒されっぱなしだった。正直言って、私も中国人というのはこんなにはっきりと物を言うのかと驚いたことも何度かあった。ところが、最初からもう、小金井先生はいかにも心得たかのように二人の暴走を止めていた。これには”さすが!”と感心した。先生が上手く二人を操縦するような形で番組は進行し、朝っぱらから、なんだか3人で楽しそう、私も仲間に入れて貰いたいなあと思わせてくれる。この講座の良さは本来は余計なことは言わず、あまり声を出す機会がなかったパートナーが、途中途中で自分の意見を言えることだと思う。例えば、「僕は普段この表現はあまり使わない」とかで、育った地域によっても違ってくるのだとわかった。

 この番組には週3回程度番組の最後にトークコーナーがある。その時間がまた楽しい。それは3人がどんな人なのか、どんなことを考えているのか、少しの時間ではあっても垣間見ることができるからだ。先の小金井先生は年齢不詳の女性かと思ったら、「失敗した話」のエピソードから推測できてしまった。それは大学時代に友達と渋谷のハチ公前で待ち合わせをした時に45分も遅れて皆を待たせてしまった話だった。当時はまだ携帯電話が出るかでないかの時で、連絡の取りようがなかったと言う。それで私は頭の中で、携帯が出始めたのは、たしか・・・と考えたら、小金井先生のだいたいの年齢が推測できた。思ったより先生はお若い!?(失礼しました)のだという発見をした。

 最近びっくりしたのは、パートナーのひとりであるユン君の「セイラさんの水餃子はすご~く酸っぱい」という発言。ええ~、餃子って酸っぱいの!?と当方は当惑していたら、すかさずセイラさんが「良かった!」とホッとしていた。どうやら水餃子と言うのは日本で馴染みのある焼き餃子とは別物らしいと気が付いた。また、「これって私だけ?」のエピソードはラーメンの食べ方に関してのこだわりの話だった。セイラさんはラーメン屋さんに行くと、必ずやることがあってそれは”味変”を楽しむことだ。まず、テーブルに置いてある豆板醤をたっぷりレンゲに乗せる。左手でレンゲを持ったまま、右手の箸で麵を掬って、その麺を豆板醤に付けて食べるのだそうだ。想像してみると口の中が爆発しそうになるが、セイラさんはその食べ方が大好きなのだ。

 それで大体わかった、セイラさんは辛い物が好きで、酸っぱい物も大好きなのだと。それはセイラさんに限ったことではなく、香港出身のユン君も同様らしい。中国料理に酸辣湯(サンラータン)というスープがあって、それは辛くて酸っぱくて一度食べたら癖になる味らしい。だが、どう考えてみても辛い物が苦手な当方にとってはハードルが高すぎる。それから、日本人には馴染みがなく、食べられる店もそうはないかもしれないが、と前置きして、それでも美味しいのは”羊蠍子(ヤンシエズ)だと言う。これは羊の背骨の鍋料理で、別にサソリが入っているわけではない。羊の背骨がサソリに似ていることから付けられた名前らしい。なんとも面白いが少しギョッとしてしまうネーミングだ。こんな風に中国語講座は毎日が発見の連続なのである。

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