人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

英語の勉強が楽くて、毎日が発見の連続

なぜ今まで本気にならなかったのか、不思議に思う

 私は自分で言うのも何だが、英語の勉強を嫌になることなく、未だに続けられていることに驚いている。以前はあんなに自分のダメさ加減にうんざりして、いつも投げ出していたのに。自分の記憶力のなさや、根気のなさ、隙あらば言い訳をしてサボろうとする怠惰な性格に飽き飽きして、開き直っていた。だが、今回はどうも様子が違う。

 思えば、海外旅行に行くために、錆びついてボロボロになってしまった英語力を何とかしようと思って始めたことだ。お尻に接着剤でもついたかのような重い腰を上げることになったきっかけは、テレビの朝の情報番組でやっていた星占いだった。普通なら何でもないことで、「ふ~ん」と聞き流してすぐに忘れてしまうようなことだ。でもその時の私は「来年のために、今日からできることを探して!」というフレーズが心に響いた。「来年」などというものが果たして私にあるのだろうかと、いつもコロナ禍の最中に居た私は思っていた。だが、その時は世の中がコロナ禍から抜け出そうとしているのを身をもって感じていた。

 やっと真っ暗闇の中に一筋の希望の光が見え始めたのだ。それで、自分にとっての「今日からできること」っていったい何だろう、と考えた。すぐに頭に中に浮かんだのは英語のことで、世界中どこへ行っても通じる言葉だから、まずは基本のきの英語から始めることにした。何をやるかはもう決まっていた。以前から聞き流すだけだったNHK大西泰斗先生のラジオ英会話をテキストなしで復習することだった。なぜテキストなしでやるかと言うと、何もない方が音だけに集中できるから効果的だから。というのは表向きの理由で、怠け者の私はテキストを買っただけですぐに安心し、すべてわかったつもりになって隙あらばさぼろうとするからである。

 中学の時に教科書ガイドというアンチョコがあって、それを見てすべてわかったように錯覚して、実は何もわかっていなかったという苦い経験があった。それにここだけの話だが、テキストが溜まって溜まってどうにもならなくなる状態をなんとか回避したいのが本音だった。大西先生の番組をまっさらの状態で何度も何度も聞いて、紙にディクテーションして書き写す。先生が繰り返す熱っぽい説明もちゃんと書き留め、その日の重要表現を使った英作文を必ず自分でやってみる。単語がわからなかったら、辞書で調べて必ず自分なりの文を作って、その上で「私たちのお勧めは・・・」の正解を聞くことにしている。

 これまで、レッスン101まで聞いてみた感想は、毎回毎回が発見の連続で「ええ~!?そうだったの?」と目から鱗になることが多い。例えば、英作文にしても、私たち日本人に馴染みのない単語や表現をネイティブスピーカーは多用するのだとわかった。どうしてそんな難しい単語や表現を使うのかと訝ってしまうのだが、それが彼らの普通なのだから受け入れるしかない。要するに、私が持っている辞書には載っていない俗語と呼ばれる単語が日常生活で多用されて、彼らにとってはそれが一番しっくりくるらしい。私が一番ネイティブとの感じ方の違いに驚かされたのは、abyssmalで、カタカナ表記ではアビスマルだ。

 先生はこの単語を「私のゴルフの知識は彼より広い」という英作文で使っていた。なぜこの文の知識の「広さ」という意味にabyssmalが適当かと言うと、それはabyssが元々は海底を意味し、またdeepの意味を持つからだった。その知識が「深くて、計り知れない」という底なし沼のようなイメージが浮かび上がるからだ。あとで、ネットで検索してみたが、なかなかabyssmalには出会えなかった。ただ、abyssだけなら何とか見つかって、意外にもこの単語はゲームの世界ではよく出てくる単語だと知って面食らった。さすがにゲームの世界は最新バージョンなのだなあと感心した。ちなみに私が持っている辞書でもabyssは載っていて、意味は「深遠」と書いてあった。

 勉強を開始してからまだ2カ月足らずだが、これからもこのまま続けて行こうと思う。なぜなら、毎回、自分が今まで知らなかったことを知ることができるのが楽しくて仕方ないからだ。心底「勉強が楽しい」と思えたのはこれが初めてで、たかがラジオ番組で、今まではどうでもいいだなんて思っていたが、聞き流していたなんてもったいないと思えてくる。何と言っても無料なのだから、この番組を聞き逃す手はない。

mikonacolon