人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ペットボトルを買わないと決めた

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ついつい気軽に買ってしまって、気づけばゴミの山

 今年もまた桜の季節がやって来た。今まで殺風景だった街が彩りにあふれて華やいでいるのを見るのは大好きだ。。今年の桜は持ちがよくて、いつもの2倍楽しめる。だがそのうち桜の花は散って、すぐに葉桜になり、汗ばむような新緑の季節になるだろう。散歩していると、当然喉がカラカラになって、ふと辺りを見回すとちょうどいいところに飲み物の自動販売機が待っている。それで、誘われるままに、自然の欲求のままに、ペットボトルの飲み物を買ってしまう。たいていは冷たい緑茶だが、喉に刺激があるコーラが無性に飲みたくなる時もある。お手軽に欲望を満たした後に、残るのはペットボトルの残骸だ。それも全部飲み切ればいいのに、350mlの内のほんの一口、二口程度しか飲めなくて、あとは家に持ち帰る。とりあえず、冷蔵庫の中に入れて置くのだが、数日たっても空にはならない。それどころか、中途半端な飲みかけのボトルが溜まっていくだけだ。それでゴミの日になると、しかたなくそれらのペットボトルを処分することになる。

 いつだって、ボトルの中の飲みさしを捨てながら、全部飲めないのに、どうして買ってしまうのだろうと思う。はっきり言って、ペットボトルを捨てるための手間が面倒くさいのだ。中身を空にして、逆さに立てて置いてよく乾かす必要があるからだ。それにお金で買った物をほとんど捨ててしまうことに少し罪悪感を抱いていた。何とかしたいのにどうしてもペットボトルを買う習慣がやめられなかった。先日も遠くのスーパーに行った帰りに30分程歩いたら、厚着をしているせいか汗をかいて喉が渇いた。何か冷たい物が飲みたい!と一瞬思ったが、もうひとりの自分が「買ってしまったら、またゴミになるでしょう。家まであと少しだから我慢しよう」と囁く。ゴミを捨てる手間を考えると、最もなことだと納得してその声に従った。すると不思議なことに、それほど喉の渇きが気にならなくなった。これなら、少しはペットボトルのゴミの量を減らすことができそうだ。

 本格的な夏になったらどうしようか。暑さに耐え切れずまたペットボトルを買ってしまうのではないだろうか。だが過去の経験から、自動販売機の冷たい飲み物を飲むより、店に入って一番安いアイスコーヒーを飲む方が効果抜群なことを知っている。夏の猛暑で火照った身体は冷え切った飲み物なんかではどうすることもできないのだ。冷房の強力な冷気でなければ身体は冷えてくれないし、一息つくこともできない。以前、朝の7時頃でも30度近い気温になる猛暑の夏に散歩をしていたら、気持ちが悪くなってもうこれ以上歩けそうになかった。それで近くのカフェに一時避難した。すると、5分もしないうちにいつもの元気を取り戻した。まさに冷房様様で、冷房の効用は凄いと実感した次第だ。

 暑い夏に冷たい飲み物を求めるのはごく自然なことだと思うのだが、海外に行くと少し様子が違う。ヨーロッパでは、イタリア、フランス、スペイン、ドイツ、どこに行っても街中に飲み物の自動販売機はなかった。まあ、そのことは前もってガイドブックで読んで知っていたので別に驚きはしなかった。ただ、彼らは夏の炎天下を2リットルのミネラルウオーターの大きなペットボトルを脇に抱えて歩いていた。彼らというのは旅行者かもしれないし、あるいは地元の人かもしれないが、皆そんなに冷たい飲み物にこだわらないのだ。持って歩けば当然のことながら、水はぬるくなってしまうのにそれで一向に構わないらしい。つまり、喉を潤すことができるなら、水分補給できるのなら水は冷たくなくていいのだ。どうやら、彼らは冷たい飲み物を私ほどには求めてはいないのだとわかった。

 私たち日本人が愛してやまないギンギンに冷えた生ビールの存在を彼らはどう思うのだろうか。もう何年も前にパリの街を散策していたら、カフェで熱心におしゃべりする人たちの姿が目に留まった。どうやら議論が白熱しているらしいが、ふと目の前のテーブルを見たら、そこにはぬるくて気持ち悪そうな飲みさしのビールが入ったグラスが置きっぱなしだ。そうか、彼らの目的は冷たいビールではなくて、おしゃべりだった。

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