人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

鍋を囲んだら国際交流

 

今週のお題「鍋」

 

f:id:mikonacolon:20201115135113j:plain

幸運から始まった結婚式

 5年ほど前、東京の高級ホテルのウエステインに泊まる機会がありました。姪の結婚式がそこで行われたからで、移動の必要が無くて便利だろうとの配慮から部屋を取ってくれました。インターネットで予約した、早割で格安の5階の部屋だそうで、どんなところか楽しみでした。ところが、当日ホテルに行ってみると、なんと部屋が用意できないと言うのです。ホテル側のミスであることは明らかで、印刷した予約確認書を見せると、「少々お待ちください」と言われました。仕方なく親戚一同しばらく待っていると、部屋の用意ができたと言うのですが、まさかの12階と聞いてびっくり。しばらく待たされた分、部屋がグレードアップしたのです。またとない幸運が舞い込んできて「私たちはなんてついているの!」と一同大喜びです。部屋に行ってみると天井が高くて、窓が大きくて眺望がすばらしい、さすが12階だけあります。その窓からの光景は5階だったらとても見ることはできなかったでしょう。

居酒屋で鍋を囲んだら

 結婚式の後、私たちは二次会で予約してあった居酒屋に行きました。ちょうど来るはずだった台風がそれて北上したおかげで、いつもなら満席のお座敷も悠々と座れました。そこの店はちょっと変わっていてエキゾチックな雰囲気が漂っているのですが、メニューはいたって普通でした。大勢なので、みんなで食べられる鍋を注文しました。その時注文を取りに来て、お世話してくれたのが、一目で外国人だとわかる若い女性でした。「どこの国の人?」と聞くと、「ネパール」。

 私の中ではネパールと言えばヒマラヤ山脈で、ヒマラヤと言えばアンモナイトが思い浮かぶ。元々は海の底だったのに、地殻変動によってうず高く盛り上がったらしい。その証拠に3千メートル辺りを歩いていると、小川にはアンモナイトの化石がゴロゴロ。そんなことを想像するといつも時空を超えたロマンを感じてしまう。

 そんなロマンの地から来た彼女はなかなか達者な日本語を話すのです。誰かが面白がって田舎の方言を使ってみると、それでもちゃんと通じてしまう。「えっ?わかるんだ、すごいねえ!」と面食らう。ちょっとからかってみただけなのに、その臨機応変な対応に感心してしまった。以前は大阪にいたこともあるらしく、標準語でなくても困らないらしい。まさか、居酒屋で国際交流できるなんて夢にも思わなかった。人なっこくて、ユーモアのある店員さんで、私たちはとても楽しい時を過ごせたのです。

居酒屋で子供たちがのんびり

 私たちは夕方の5時頃から鍋を囲んでワイワイやっていたのですが、しばらくすると、子供が3~4人でいるのに気づきました。最初は親と一緒だとばかり思ったのですが、いつまでたっても親は現れません。おそらく何かの事情があって、土曜日の夜に子供だけで外食させているのでしょう。その中のひとりの女の子はノートに何かを書いているようです。まさか、ここで宿題?をしているのではと疑ってしまいます。あとの子たちは何やら話をしていますが退屈している様子でした。トイレに行くたびにその席の側を通るのでどうしても気になってしまうのです。田舎者の私たちは、「東京では子供だけで外食するの?」とびっくりし、とても信じられませんでした。周りを見渡すと、誰も気にしていないようです。思いがけなく、居酒屋でカルチャーショックを感じてしまったのです。

mikonacolon