人生は旅

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インターネットで悩み相談

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」

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検索機能をやがて悩み相談に利用するようになって

 インターネットで便利なのは何と言っても検索機能があることです。知らないことがあると、ついつい何でも検索するのが習慣になってしまいました。新聞を読んでいると、出て来る知らない漢字や用語、人の名前を調べていると、あっという間に時間が経ってしまうものです。仕事で顧客からのクレームに応対していると、いつの間にかもうお昼になっていた、というようなあの感覚に似ています。最近は特にカタカナ語が多くて、その意味を理解するだけでも大変で、肝心の文章の意味がさっぱりつかめません。それに、一度調べても、すぐに忘れてしまうので、メモは一応するのですが、そのメモのありかがどこだったか忘れてしまうので、性懲りもなく検索を繰り返すことになります。

 わからないことがあったらすぐに調べる、それ自体は決して悪い事ではないのです。でも人間の脳がそれに慣れてしまうと、覚えるという本来の機能を失くしてしまいかねない、そんなことが新聞の記事に書かれていました。「なんだっけ?以前聞いたことがあるのだけど・・・」と空っぽの頭であっても、とりあえずうんうんと唸って思いだす努力をしてみるのです。たとえ、その時は思いだせなくても、ふと何気ない時にそれが頭に浮かんでくる、そんな体験をしたことがあります。考えてみると、何でも知りたいと思うのが人間なのかもしれませんが、その中には知らなくもいいこともたくさんあるはずなのです。それで、現在の私はほとんど必要に迫られない限り、検索はほとんどしなくなりました。

 でも当時の私ときたら、インターネットの検索機能が何でも教えてくれるので、それに味を占めて悩み相談までしてしまうのです。例えば、「寒さに勝つ方法、平熱35度8分」と入力して、検索をクリックします。その頃はカフェでないと集中できないと信じていて、冬になるとカフェのあまりの寒さに震えていました。周りにいる人たちを観察すると、別にという顔をしてみんな平気な様子です。どうも同じ空間に居て寒いのは私だけみたいです。検索結果によると、平熱が36度以下なのは典型的な冷え症だということです。それを改善するには体温をあげることが必要です。ではどうやって体温を36度にするのか、それには筋肉をつけることが必須で、特に筋肉が集中している下半身を鍛えるのが一番良い方法だそうです。誰にでも気軽に毎日できる筋トレが紹介してあったので、3日坊主だったり、やったりやらなかったりでも一応試してみました。そんな不真面目な態度でも、今では平熱は36度2分で以前ほどは寒さに震えなくなりました。緩い筋トレと毎朝たんぱく質を取ることによって冷え症は改善できるのだと知りました。

 悩み相談と言えば、友だちの話を聞いて仰天してしまったことがあります。彼女には娘が一人いて、専門学校を卒業した後幼稚園の先生になりました。最初は不安だらけでしたが、同期で入った子たちと気が合って、「これからは何でも3人で助け合おう」と約束をしました。ところが、ある日の夕方同僚のクラスの作業を手伝っていると、先輩から「仕事は一人でするもの、手伝ってはいけない」などと叱られてしまいました。幼稚園と言う所は傍目には楽しそうに見えても、実は 甘えを許さない厳しい世界なのでした。なぜかと言うと、子供の命を預かる仕事なので、みんなで楽しくはあり得ないのでした。その事件以来、彼女の娘は誰にも助けてもらえない現実を知って動揺を隠せませんでした。自分の行動を毎日のように注意され、怒られてばかりで、同僚とも話せない日々が続きました。だんだんと追い詰められた行った娘はある朝布団から出られなくなりました。

 そして、あろうことか、上司への電話で「実はインフルエンザに罹ってしまって」などと、真っ赤なウソをついてしまいました。その頃ちょうどインフルエンザが流行っていたので、ほんの思い付きで口から出たのでした。でも後にこの何気ない言葉のせいで、痛い代償を払うことになるのでした。仕事を休んでから4,5日経ったとき、インフルエンザで休んだ時は治癒証明書がいることに気づきました。それで、どうしよう?となりました。娘は物凄く悩んで、幼稚園で皆から責められることを想像したら過呼吸になってしまいました。そんな娘の様子を見ていた友だちは、なんとインターネットでいつものように検索をしてしまったのです。「インフルエンザの治癒証明書、どうしたらいい?」。まさに本物のお悩み相談です。冷静になって考えてみればありえない行動ですが、その時はどうかしていたのです。うまい解決策などあるはずもなく、結局娘は皆に嘘がばれて大目玉を食らいました。でもそのおかげで幼稚園を辞めることができて、今では居心地がいい保育園で元気に働いています。

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