人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

外出自粛で見えてきた家庭の真実

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親子のバトルに遭遇して

 昨日の夕方、近所のスーパーに行って帰る途中に見たのは、母親と男の子がちょうど玄関の扉を開けて出てくるところでした。「これから二人でお出かけなんだ」と思ったら、なにやらいつもとは様子が違います。母親は急いでいるみたいで終始無言、小学校の低学年らしき男の子は裸足のまま何やら大声で泣きわめいていました。それでも子供の訴えに構うことなく、玄関先に止めてあった自転車のハンドルに手をかけようとしています。「どうやら今、お取り込み中みたい」ようやく事態が飲み込めた私は、親子から目をそらして足早に通り過ぎようとしました。そして、通り過ぎた後に聞こえたのは遠くから子供の声で、「ウワァ~」という泣き叫ぶ声が近所中に響いていました。おそらく自転車に乗った母親を必死に追いかけていったのでしょう。子供は自分の気持ちを受け止めてもらいたくて母親にすがりたいのです。

 ところが、母親は一刻も早く子供から逃げたかったのです。そんな時は子供の気持ちより自分の気持ちが優先です。親といえどもいっぱいいっぱいでもう限界と感じることもあるでしょう。心に余裕が無くなったら自分が楽になれる行動をとって自己防衛したくなります。こういった光景ってもしかして新聞などで問題になっている「家庭における親子間のストレス」なのでしょうか。コロナによる外出自粛によって普段は良好だった親子関係にひびがはいるというものです。

一緒に居られるのに喜べない?

 専門家に言わせると、今まではそれぞれ、会社、学校という毎日行くべきところがあって秩序が保たれていた、つまり丸1日中顔を突き合わせることなどなかったわけです。今の子供は忙しくて学校が終わってからも塾や習い事で忙しいので、親子でお互い密接に関わる時間は限られていました。逆に言えば、忙しさがあってこそ良好な関係が築かれていたのです。目の前のやるべきことをやって毎日をやり過ごしてきたのに、今は突然目の前からそれが消えたようなものです。大人も子供も心にぽっかりと空洞が開いたみたいに戸惑いを隠せません。

 本来なら、家族で丸1日一緒に居られるのだから、「やった!」とか、「うれしい!」と喜ぶべきなのに現実はそう簡単ではないのです。人間は愛する人や好きな人と一緒にいたいと思う反面、時にはひとりでいたいとも思う複雑な動物です。だからこそ、今のような外出自粛の緊急事態には家族の実態が浮かび上がります。「ピンチはチャンス」とよく言われますが、家族で一致団結して今の危機を乗り越えることだってできるのです。

コロナで楽しみをすべて奪われて

 コロナによる外出自粛は家族だけではなく、悠々自適の生活を楽しんでいた82歳の知人女性の生活をも容赦なく変えてしまいました。まず、片時も句帳を手放せないほど好きな俳句が作れない、俳句というのは外に出かけて行かないと作れないらしいのです。もちろん楽しみだった句会も中止、コーラスの練習も中止、老人ホームに慰問に行くほど熱心に練習していたのにも関わらずです。それから習っている習字を含めお稽古もすべて中止になりました。なによりも人と会って気分転換できないのが一番つらいとこぼします。しかし私なんかよりポジティブな人なのでこの危機を軽々と乗り越えていくはずです。

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