人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

リベンジ消費って何?

 

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また安心してお金が使えたあの日々が戻ってくるのか

 新聞の別刷りを見ていたら、いつものアンケートのページには「リベンジ消費していますか?」とありました。「リベンジ消費」とはなんだかマスコミが「お金を使いましょう」と消費者を煽っているかのような刺激的な言葉です。そんな刺激的な文句に意外にも人々は冷静に構えて見ているようです。アンケートの結果によると、「はい」は22%で「いいえ」は78%でした。「いいえ」の理由は様々で一番多いのは「言葉に踊らされたくない」で、次に「生活がコロナ前と変わっていない」、そして一番共感する理由が「行動を広げて感染するのが怖い」でした。

 8割近くの人が「いいえ」で、その本当の理由はどうやら安心してお金が使えないということにあるようです。今まで給料やボーナスは当然入って来るべきもので、だからこそ安心してお金が使えたのです。もっともそれは恵まれた人の部類で元々給料が少ないとか生活に余裕がない人には当てはまりません。コロナになってもその状況は全く変わらず、というより給料がさらに減ってしまって困窮してしまう人もいるのです。

 若い世代に限って言えば、「コロナ前と変わらず、経済的に余裕はないし、旅行や居酒屋にも行かない」し、「元々の給料が少なくて、安心してお金を使うことができない」という人も中にはいます。それでも若い人たちはお金がないなりに楽しくやっているのではないか。そんなことを思ってしまうのは私が休日の早朝にいつも楽しそうな若い人たちに出会うからです。彼らは3~4人の集団の時は遠くからでも聞こえるような大きな声を出して、私を怖がらせます。おそらくアルコールが入っていて気が大きくなっているだけなので、何もされないことはわかっています。でもやっぱりできれば近づきたくないので、出くわすことが無いように道を変えます。

 一方のカップルの人たちは、朝6時前からデートでもないと思うので、たぶん朝帰りなのでしょう。二人はルンルンで楽しくてしようがないという雰囲気が漂っています。たしか、昔のテレビドラマの主題歌に「二人の世界があるから、だから強く生きるんだ」という歌詞がありました。コロナ禍にあっても、世界がどうなろうと、二人は幸せを感じて生きていくのでしょう。大きな幸せなど望んではいるわけではなく、この世の片隅で小さな幸せを追求していけばいいのです。自分たちの身の丈に合った幸せがあればそれでよしと満足する生き方です。

 アンケートに「はい」と答えた人は2割程いるのですが、その人たちは「積極的に外食や旅行を楽しみたい」わけでもないようです。というより、むしろ苦境にある観光地や飲食店を応援したい人が多いのだそうです。また先が見通せない事態に初めて直面して、「お金を使ってもっと楽しんでもいいのではないか」という思いもかけないことを実感した人もいます。今までは老後のために節約と貯金のことばかり考えて生きてきたのですが、未来のために今を犠牲にすることが果たして正しいのかがわからなくなりました。後で後悔するのではないかという疑問を感じるようになったのです。

 考えてみると、この世の中は何一つ確実なことなど何もないわけで、コロナ禍はそれを直視する機会を与えてくれただけのことです。そうなると途端に人は不安に襲われますが、”座して死を待つ”わけにもいきません。それで必要に迫られて無い頭を無理やり使って今のどうしようもない状況を打開しようとします。職を失った知人の女性は職業訓練センターに通いながら、漢検の勉強に余念がありません。特に漢字が好きなわけでもなく、ただ何かに夢中になっていないと不安な気持ちが大きくなりすぎるからです。人の気持ちは不思議です、ひとたび不安に襲われると、それはムクムクと成長し、怪物のように人を支配してしまいます。だから手を動かして、不安に付け入る隙を与えないのが最善の策なのです。それに漢検に合格すれば、職業には直結しない資格ではあってもそれなりに達成感が得られます。きっとその達成感は彼女がこれからを生きる希望と自信につながるはずです。

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