人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

私たちの知らないロシア⑩

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つり革がないロシアの地下鉄

 

サンクトペテルブルグで、親切なおばさんに背中を押され、勇気を出して地下鉄のエスカレーターに乗る。しかし、ロシアの地下鉄のエスカレータ-は日本の2倍くらいのスピードで、速い!早すぎる!思わず手すりにしがみつく。よ~く周りを見てみると、皆慣れているようで慌てているのは自分だけだ。ロシアの地下鉄のエスカレーターは勢いよく進むが、距離が長くてなかなか下に降りられない。やっとホームが見えてきたかと思ったら、透明なボックスがあって、中に人がひとり座っている。日本でいう電話ボックスくらいの大きさの箱の中で、監督するのが仕事らしい。

親切なおばさんに助けられ、なんとか地下鉄に乗ったが、実際にはその駅がどこの駅なのかも、どこ行きなのかもわからない。車内で地下鉄の路線図を広げて、隣のおじさんに聞いてみる。偶然にも予約したホテㇽの最寄り駅に行く電車で、乗り換えなくても1本で行けることが分かる。

そのとき、電車が揺れて自然とつり革につかまろうとするが、日本のようにつり革がどこにもない!しかたがないのでドアの近くの手すりにつかまるしかない。うえの方の手すりにつかまることができるのは長身のひとだけだ。背が高い人が多いみたいで、電車の天井に近い手すりでも不便はないらしい。

 

ロシアの地下鉄は怖くない!

日本のように優先席と言うものはなくて、みんな自然にお年寄りに席を譲っている。お年寄りが自分の前にいるのに、若者が平気な顔をして、ずっと席に座り続けることなどありえない。

ロシアの地下鉄はアナウンスがあるので、旅行者にはたいへんわかりやすくてありがたい。「扉が閉まりますので、お気をつけください」というアナウンスはヨーロッパの国々にはないもので、やさしい気づかいを感じる。自分にとってロシアは怖い国だったので、最初はものすごく緊張したが、「怖い国」から「面白い国」へと変わっていった。地下鉄の車内も、平和そのもので、犯罪の匂いもしなかった。

大変便利な地下鉄の車内は外国人らしきひと、つまり観光客が目立つことはなくて、彼らは通常はバスで移動するので地下鉄には乗らない。それから、日本の企業の駐在員やその家族はロシアの公共交通機関を使わないように言われているらしい。それは危険から身を守るためで、ロシアでは列車爆破事故が相次いでいたから、テロ事件に巻き込まれないための自衛手段だ。

ロシアでは、地下鉄ほどどこに行くのにも便利で、安くてこんなにいいものはないと思う。ホームや駅構内にも時代を感じさせる銅像やオブジェが飾られており、博物館のようで実におもしろい。

 

mikonacolon