人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

私たちの知らないロシア⑳

f:id:mikonacolon:20190528145537j:plain

 

エカテリーナ宮殿を中国人が占拠!

 

エカテリーナ宮殿を貸し切り状態で見ることができたのは、12年前だけでそれ以降は混みあうようなりました。私のように個人で訪れるひとは少なく、ほとんどツアーで観光バスで訪れます。宮殿の周りは、緑豊かで静かな住宅地で観光地の賑わいもないし、レストランやお店もありません。宮殿の中にもレストランやカフェはありませんので、宮殿のまえにある庭園のベンチで、持ってきた食べ物を食べるしかありません。

何度目かの訪問の時に迷って道を尋ねた男のひとは、車のトランクに荷物を入れようとしていて、これからまさに出かけるところでした。ちょうど家の中から出てきたところを私が呼び止めたのです。

そんな静かな町にあるエカテリーナ宮殿が、昔とは少しづつ変わり始めているのです。私が最後に行ったのは3年前ですが、ほとんど見かけることがなかった中国人が、それも中国人のツアー客が次々とやってきているのです。エカテリーナ宮殿は中国人観光客に占拠されてしまっているのです。宮殿の中も、外にある庭園も中国人であふれかえっていて、声が大きくてうるさくて、ほんとうにびっくりしてしまいます。私も初めて「エカテリーナから早く帰りたい。」と心が叫び、「もう二度とここへは来たくない」とさえ思うほどいやな気分になりました。あのとき「こんないやな思いをするなら、もう絶対ここへは来ない」と決めたのを思い出しました。

騒がしい中国人とは対照的なのが、あの喧噪のなかでフルートを吹き続けていた男の人です。自分のCDを出しているらしく、有名なひとなのかもしれませんが、あの状況の中で演奏するのはどう見てもきついです。エカテリーナで楽器の演奏する人はめったにいないので、貴重な経験ですが周りの雑音が気になって楽しめませんでした。

 

中国人との共生が大事?

 

近年日本でも、中国人観光客のマナーが問題視されていますが、なんでサンクトペテルブルグのエカテリーナ宮殿が犠牲になるのか、訳が分からなくなってしまいます。ただ、時代の流れとして、中国人を無視できない環境に生きていることは、空港の案内表記が中国語が追加されたことでもわかります。昔はロシア語と英語表記だけでしたが、モスクワのシェレメチェボ空港が新しく生まれ変わり、中国語を含む3国語表記となりました。

一昔前、「世界で最低最悪」と噂された空港は、世界の国際空港と違って航空会社のチェックインカウンターの表示が分かりにくく、利用するには不便すぎました。また、待合室の椅子がほとんど破れていてクッションが丸見えになっていました。そこにみんながごろ~んと横になって寝ていました、夜ではなくて昼間にです。その異様な光景に、「これもロシアなんだなあ」とショックを受けましたが、すぐに「ロシアは面白い」に変わり、日本との違いを楽しめるようになりました。

 

mikonacolon