人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

農園とやぎとヒツジたち

f:id:mikonacolon:20191006080631j:plain

農園の草刈に悩んだ末に

スペインの作家が書いたお話なのですが、作者のお母さんが自宅の農園に延びた雑草に手を焼いているのです。雨がよく降った春には草がぼうぼうと伸びてしまっていたのです。それなのにお隣さんの農園では6頭の白くて太ったヒツジたちが静かに草を食んでいるのです。その姿をみて彼女はいつも「お隣さんはなんて恵まれているの」と羨ましく思っていたのです。ヒツジたちのおかげで草刈りをする必要がないのが素晴らしいと思っていたのです。そしたら、お手伝いさんが1日でもヒツジを貸してくれるように頼んでみたらとアドバイスをします。それで彼女はお隣さんにその提案をすると快く引き受けてくれました。そして今度の日曜日に連れてきてくれると約束してくれました。彼は「農園をどれだけ綺麗にしてくれるか、今におわかりになりますよ」と自信たっぷりに言います。それでお母さんもますます期待が高まって嬉しくて仕方ないのです。

ヒツジたちが農園にやって来て

約束通りお隣さんがヒツジたちを連れて作者のお母さんの農園にやって来ました。それとなぜか一頭のやぎも一緒について来て、キョロキョロとあたりの様子をうかがっているのです。彼の説明によると、ヒツジたちが食べない草も食べてくれるからという理由で連れて来たそうです。6時にはヒツジたちを引き取りに来ますからと言って彼は帰って行きました。作者はその頃はまだ子供だったので、ワクワクしてヒツジたちを一目見ようと農園に向かいました。ヒツジたちはその時はまだ静かに草を食んでいました。その姿に安心して、作者たち家族はお昼を食べに出かけてしまいました。それが大間違いだったと分かるのは家に戻ってからなのですが後の祭りです。

果たして農園はどうなったのか?

家族が5時ごろ家に戻って、ワクワクしながら農園を見に行くと そこには信じられない光景が広がっていました。みんな一瞬何が起こったのか理解できずに呆然と立ちつくしてしまいました。草だけでなく、大事に育てた野菜や草花も食べつくされてメチャメチャになってしまっています。そしてその残骸の中に見たのは、満腹で満ち足りて幸せそうに熟睡するヒツジたちとヤギでした。ここで失礼ながら少しだけ笑ってしまいました。人間の予想をはるかに超えた行動をとる動物たちが面白いのですが、彼らは本能に従ったまでなのです。草だけ食べてくれればよかったのに、野菜や草花まで食べつくされたことは作者のお母さんの痛い誤算でした。ヒツジたちは誰も見ていないのを幸いにこのような暴挙に出たのです。いいえ、作者の見解では一緒についてきたあの挙動不審なやぎがヒツジたちをそそのかしたのではないかと見ています。いずれにしても、人間から見たらとんでもない行動をとってしまうのが動物なのだから、やはり監視が必要なのです。面倒なことを手間をかけずに賢く済まそうとしたら、能書き通りいかなかっただけなのです。それだけでなく、反対に面倒なことが増えてしまって頭を抱えることになったのです。考えてみると、このお話って当事者にとっては相当に衝撃的なことではないでしょうか。正直言って笑っていられないエピソードですし、すべてのことに通じる教訓を学びました。

mikonacolon