人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

スロヴァキアへの旅

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スロヴァキアで中年のおじさんが「ママ~」を連発

押入れから出てきたこの絵葉書、懐かしくて当時のことが思い出されます。ウイーンから列車に乗ってスロヴァキアの第二の都市コシツェへ向かいます。コンパートメントの4人掛けの座席で8時間の長旅です。客室のドアの横の壁には予約番号が書かれたカードがホルダーに入っています。この列車は客室にいるのに飽きた時や、気分転換したい時には、外に出て廊下のようになっている通路から外の景色を眺めることができます。7月のちょうど夏休みの頃で、私は友達と二人で一緒に座り、向かい側は若い男の人でした。列車が出発して少し経った頃、向かいの人が、私たちに向かって「シュライベン、シュライベン」と言いながら、手で何かを書く真似をするのです。ドイツ語をちょっと勉強したことがあったので、もしかしたら、動詞の「シュライベン」なのではと思ったのです。つまり、「シュライベン」とはドイツ語で「書く」と言う意味で、何か書くものを持っていないか、聞いていたのです。それで、すぐにボールペンを貸してあげました。このくらい気さくな人でしたので、こちらもコンパートメントに一緒にいてとても楽でした。

しばらくして、彼の携帯電話が突然鳴り出したと思ったら、すぐに、「ママ~、ママ~」と甘ったるい声が聞こえました。きっと、「もうすぐ帰るよ、ママ」と答えているのでしょう。彼は実家に帰省する途中で、息子が帰ってくるのを家で待ちかねているママから電話がかかってきたらしいです。その後あちこちで、どうみても中年のおじさんが「ママ~」を連発しました。外国人の男性はいくつになっても、母親とのつながりが強いのでしょうか。日本人から見たら、マザコンと言ってもいいくらいの結びつきで、日本の男性にはこのような人はいなさそうです。私たちの向かいの男性は、結局、首都のプラスチラバで列車を降りました。

金髪の美少年にひとめ惚れ

私たちがぼ~っとして座っていると、そこへコーヒーを売りに来たのはなんと、金髪のお兄さん、いいえ、美少年でした。私たちにとっては、昔見たイタリア映画「ベニスに死す」のビィヨン・アンデルセン並みの美少年だったので、おもわず見とれてしまいました。だから、コーヒーなんて買う気も全くなかったのに、気が付いたら注文していました。普通の人なら、当然、「No、thank you」なのに、そのフレーズが言えないのです、どうしても。その美少年はビィヨン・アンデルセンみたいな長髪ではなくて、清潔感のある短髪で、ワイシャツに黒の制服を着ていたと思います。そのせいもあって余計素敵に見えて、黄金に輝く金髪にただ、ただ、うっとりしていました。このことは、おもしろい土産話のひとつであり、一種の人間ウオッチングです。

 

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