人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

コロナで中小企業が生き延びる道とは

f:id:mikonacolon:20200511090747j:plain

唯一灯りがともっている店とは?

 NYタイムズの電子版の記事が先日の朝日新聞に載っていました。コラムニストの女性が自分の住んでいる地域で営業している愛すべきパン屋について書いています。人気店だったパン屋が直面している窮状を今どうしても訴えずにはいられないのです。さもないと私たちは大事な場所を失ってしまいかねないのだと危惧しているのです。軒並み灯りが消えた街の中に1軒だけ灯りが付いている店があり、それは『店主の強い意志とお客さんの律儀さに支えられている』のだと訴えています。

 この店は今でもビーガンやグルテンフリーを希望する人達のために彼らの要望に応えているのだ。だが店の経営状況は逼迫していて、10人いた従業員を3人に減らしても苦しい。家賃の8800ドルが重くのしかかっていて、家主に減額を願い出ているがいい返事は貰えていない。売り上げが4割に減っていて残念ながら利益は出ていない。店主の今の正直な気持ちは、ニューノーマル(新常識)ができたとして、それまで持ちこたえられるか、持ちこたえたとしても、生き残れるかだという

中小企業の存在を軽視しできない理由

 この記事の筆者は地元で愛されるパン屋のような個人商店が閉店した時の損失を甘く見てはならないと指摘しています。中小企業は地元で雇用し、お金を循環させている。いつも地元を気にかけていて、何よりも人々が集う場所であり、コミュニケーションできる愛すべき場所を提供してくれる。それらがなくなったら、街はスタバやマクドナルドのような大手のチェーン店ばかりが建ち並ぶ無味乾燥な風景と化してしまうだろう、と。そういう点でも筆者にとってこのパン屋は「潰れるのが耐えられない愛着ある店」に他ならないのです。

 個人商店で思い出すのは、バルセロナピカソ美術館に行ったときにふらっと入ったパン屋です。そこは持ち帰りできるしイートインもできて、美術館の感動の余韻を味合うのにはもってこいの場所でした。『今にも飛び立ちそうな鳩』や若いころのピカソの天才肌の才能に圧倒されて写真集も衝動買いしました。ピザを食べながら写真集に没頭して時のたつのを忘れました。大きな美術館のカフェでは経験できない濃密ともいえる時間を過ごせたのです。中世の時代に入り込んでしまったかのようなゴシック地区の路地にある小さな個人商店は貴重な存在です。

ネットで申請がベストなの?

 先日テレビの報道番組で見たのは、人と人とが距離を置いて長い列を作る光景です。もしかしてパチンコ屋に並ぶ列?と思ったら、なんとハローワークだったのです。つまり、「日本はすべてにおいてデジタル化が遅れている」と言いたかったようです。しかし、NYタイムズのこの記事では、中小企業の支援金を申し込むサイトはクラッシュして機能しなかったというのです。エラーばかり出て4日続けてアクセスしたのにパン屋の店主は結局1銭ももらえなかったそうです。それを読んで「ネットなら簡単に手続できる」というのは都合のいい幻想なのかもしれないと思い知りました。一度にアクセスが集中すればパンクするのは必然ですから、ネットは万能ではないのです。

mikonacolon