人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

雪の中での通学とスーズダリの思い出

今週のお題「急に寒いやん」

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 雪が降ると思いだすのは

 冬の足音がし始めると、今年は雪は降るのかどうかなんてことが気になります。子供の頃は雪が降ると嬉しくて外で遊びまわっていたのに。学校の体育の授業も雪の降る中、寒さなんて気にすることなく、校庭で雪合戦や雪だるまを作って遊んだものです。大人になったら、急に雪が迷惑なものになって、できれば降らないほうがいいだなんて思ってしまったりします。でも私は今でも雪が降るのを眺めているのが大好きです。

 思えば、田舎に住んでいた時は中学と高校は自転車で通っていたので、当然雪の日もいつも通りです。タイヤがシュルシュルと音を立てるのを聞きながら、懸命にペダルをこぎます。少しぐらいの雪ならへっちゃらで、あたり一面の雪の中を疾走するのは気持ちよかったです。降り積もったばかりの雪は柔らかくて、滑らないので転んでしまうこともありません。そう言えば、一度だけ自転車ごと田んぼの中に落ちたことがありましたが、ケガはほとんどありませんでした。ちょうど稲刈りを終えたばかりで稲の根元がクッションになったようです。靴の紐が緩んでペダルに引っ掛かり、絡まって前に進めなくなったのです。だから自転車は倒れるしかなかったのです。自分では何が起きたのかわからず、気が付いたら田んぼの中にいたので「怖い」とも何とも感じませんでした。

 雪が降り積もった中での通学は

 雪でも何ら問題ないと書きましたが、長靴がうずまってしまうくらい降ると自転車はもうダメです。片道1時間半の学校までの道を歩いて行くしかありません。あれは高校のときで、学校が大好きでもないのですが、「行かねば」ならなかったのです。雪の中を歩いていると、寒くて冷たくて最初はイヤでした。でも身体が熱くなってくるにつれて、不思議なことにだんだん楽しくなってきたのです。なんだか雪景色がきれいに見えてきて、白い世界にいる自分を面白く感じてしまったのです。大変だとか辛いとかという思い出は全くないせいか、雪に対して悪いイメージは持っていないのです。それにしても、あの時学校にたどり着いて驚いたのは、友だちがちゃんと自転車で来ていたことです。「どうやって、こんな時に自転車で来たの?」と仰天してしまいました。

ロシアのスーズダリの雪の中で

 大人になって、何かの縁でロシアに旅行に行くようになりました。そこで子供のころ見た懐かしい風景に出会うことになるとは夢にも思いませんでした。ロシアにはロシア人が死ぬまでに行ってみたいと願う「黄金の環」と呼ばれる村々の一群があります。ロシアの都会だけでなく、田舎にも興味があったので、スーズダリに行きました。村に多数ある寺院をみたかったのですが、3月下旬だと言うのに大雪でした。寺院の姿はどこにもなく、吹雪の中ひたすら歩き回るのが精いっぱいでした。誰も歩いていないし、足あとさえもない、まるで自分ひとりだけの世界のようでした。それでもある一軒の店を見つけて中に入ると、美味しそうな総菜が売っていました。その中で一番美味しかったのはキノコで、日本では見たことがない、エノキに似ているのですが触感が違います。日本に帰ってから辞書で調べてみたのですが、わからずじまいです。コリコリとして後を引く味に病みつきになって、その後もロシアの都会のスーパーで捜してみました。でも残念ながら未だにあの味に出会えていないのです。

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