人生は旅

人生も旅もトラブルの連続、だからこそ‘’今‘’を大切にしたい

ソーシャルディスタンスと心の距離

 

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人が道端に座っているのを見て固まる

 昨日の午後、買い物に行こうと家を出て、いつものように歩き出そうとしました。そしたら通りの斜め前の家のそばに女の人が荷物を抱えたまま座っているのが見えたのです。よく見るとすぐそばには自転車が倒れたままになっていました。「ああ~ああ、やっちゃった」と若い女性がため息をついているのが聞こえてきます。道路には物があちらこちらに散らばっていたので、おそらく自転車に乗っていて転んだのだとわかりました。しかし彼女は座ったままで立ち上がろうとしない。なぜ彼女は座ったままなのだろうと不思議に思っていたら、そこへ1台の車が通りかかりました。そして車から降りてきて「大丈夫ですか?」と声をかけました。それと同時に反対側から来た自転車に乗った女性も心配して声をかけてきたのです。なのに私ときたら何もできず、動けないままなのです。私も何かできることはないかと気づいたときには、親切な二人に任せておけばいいのだと悟りました。すぐに動けない自分が情けなくなったのです。

人との関わりを避ける傾向に

 見ているだけで何もできなかった私は一刻も早くその場を立ち去ることにしました。その時転びそうになってしまったのは、私の心の動揺のせいだとしか思えません。歩き出した私の背後で聞こえてきたのは、車の主の「救急車呼びますね!」でした。その声を聞いて「まさか立ち上がれなかったのか!」とびっくりしました。どうも最近はソーシャルディスタンスというのが頭にこびりついてしまいました。だからか自分でも知らないうちに他人と関わるのを避けてしまっていたようです。以前は自然とできていた他人のことを気にかけたり、心配して気軽に声をかけることだができなくなっているのです。

 朝日新聞の「折々のことば」にたしか『自分がうつされたくないと思ったら、他人はみんな化け物になる。しかし人にはうつさないぞと思ったとたん、周りは血の通った人ばかりになる』というのが載っていました。自分は絶対コロナにかかりたくないと思うことは、自分を守ることなのです。でも、一つ間違えばそういう考えは「自分だけよければいい」という浅ましい自分勝手な思いに通じているのです。自分を感染から守ることはできるだけ他人と関わらないことであり、そうなるといつの間にか他人との心の距離もできてしまいます。コロナウイルスは身体だけでなく、人間の心にも禍をもたらすなんて思いもよらなかった事態です。

 米ミネソタ大学の研究チームは今後予想される3つのシナリオを提示し、コロナウイルスは今後1年半から2年は流行が続くと予測しています。人間は過去の歴史から学ぶことができるというのが常識です。そう考えると、スペイン風邪のように秋か冬により大きな波が来るパターンを専門家は警戒しています。これから夏にかけては熱中症とコロナ、その時期を何とか持ちこたえたとしても、秋から冬にかけてインフルエンザとコロナに注意しなければなりません。緊急事態宣言が解除されても自粛生活が終わったわけではないのです。そのことを肝に銘じてこれからも生活しなければならないのです。

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